■Stropharia rugosoannulata (サケツバタケ)

■ 2008年05月04日 撮影

梅雨時の渓谷沿い、初見でもこの特徴的なつばには見覚えが有りました。
春〜秋、特に梅雨時に様々な場所、人の生活圏内でも見られる「裂鍔茸」。
腐生菌のため動物の糞上にも発生。富栄養な環境を好むキノコです。
種小名もしわの寄ったつばに由来し、和名でもつばが特徴と分かります。

傘は赤褐色〜暗褐色幼菌時は周囲に本属菌らしい鱗片が見られます。
このように傘は何の変哲も無い普通な感じなのですが、面白いのは裏側です。


■ 2008年05月04日 撮影

裏返してみました。ひだは最初白色ですが、胞子が熟すと暗紫灰色に。
そしてつばは非常に分厚く、星形に裂けて下側は反り返ります。
感じ的には「たんぽぽ水車」みたいな反り方を想像すれば良いかと。
つばの上側はしわが寄ったような状態で、上下でかなり違います。
柄はつばより下が濃色になり、基部には白色の菌糸を蓄えています。

糞にも生える腐生菌と聞くと敬遠しますが、比較的美味な食菌として有名。
雰囲気的に食べれそうにないですが、風味も食感も良く狩り対象です。
それどころか腐生と言う性質を利用し、人工栽培され販売されています。
ササクレヒトヨタケやツクリタケと同様で、腐生菌とてバカにできませんよ?
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