■Suillus luteus (ヌメリイグチ)

■ 2007年11月11日 撮影

広葉・針葉混合林内、その中のマツが密生する開けた場所で発見しました。
チチアワタケだと思ったんですが、全体的に色が濃いので見てみると・・・。
傘の表面は赤褐色で粘液に覆われており、極めて粘性が強いです。
これが和名の「滑猪口」の由来ですが、これはチチアワタケにも見られます。
ちなみに別名「マグソタケ」。馬の糞ですね。失礼なネーミングですよ・・・。


■ 2007年11月11日 撮影

最大の特徴は柄に膜質のつばが有る事。これが最大の決め手です。
成菌を肉眼でチチアワと区別するにはコレしか術が無いでしょうね。
ぶっちゃけ、つばが落ちてしまった個体は肉眼での判別がほぼ不可です。

ぬめりの有るキノコは日本人の口に合う!本種も食菌として愛されています。
ただ胃腸系の中毒例も報告されているので注意した方が良いです。
体質によってはアレルギーを起こすようですが、これはまぁ仕方が無いでしょう。
ただこの傘のぬめりは極めて消化が悪く、胃腸をやられるのはこのせいだそうで。
ちなみにこれぐらいが食べ頃だと自分は考えてます。これ、かなり美味です。
汁物に入れて頂きましたが、とても良いイグチらしい味が有り個人的には好き。

■ 2007年11月11日 撮影

傘の色には個体差が有り、真っ黒に見える個体も有ればこのような薄い個体も。

■ 2007年11月11日 撮影

おおお美しい!撮ってくれと言わんばかりの美しい個体を発見!
全く傷みが無く、傘の縁も綺麗に整っていて、とても綺麗なヌメイグでした。
しゃがんで真横から見れば、柄につばがあるのが良く分かりますね。
こう言う開けた場所に生えるキノコは土や枯葉が付かないので良いですね。

■ 2007年11月11日 撮影

もう生えてるわ生えてるわ、見付けた分全部採ったらゴミ袋2つは行くね。
ただ自分は本種の食べ時期間は短いのではないかとか思ってます。
傘が開いた個体は肉が水分を吸って軟らかくなってる物がかなり多いです。
塩水に漬けた後切ってみると肉に透明感が出ていて、シャバシャバしてます。

■ 2009年04月27日 撮影

ヌメリイグチ自体はさほど珍しくないのですが、注目すべきは今がと言う事。
様々なキノコで見られる現象ですが、秋のキノコが春に発生する事が有るのです。
別に凄い事ではなく、春と秋に発生するのですが、あまり知られていないだけ。
ただ同じ秋に発生しても春には出ない種も有ります。何が違うのでしょうか?
ちなみにこの時期のヌメリは虫食いが少なく、食べるのにはもってこいだったり。

■ 2009年11月07日 撮影

今年の本種は凄かった!!! 毎年凄いんですが、今年は特に凄かった!
本種が凄いと言うか、他の種がズダボロな中でいつも通りなのが凄かった。
傘のぬめりが強く、肉も厚いので、乾燥にはめっぽう強い種のようですね。


■ 2009年11月07日 撮影

まぁこれくらいが食べ頃ですねぇ。美味しく頂きましたよ。マツタケみたい。

■ 2009年11月14日 撮影

今年は本当に本種の当たり年のようです。こんなにキノコ不作なのに何故?
雨の直後ですが、少し前から大群生を作っていたようです。乾燥に強いなぁ。
今までこのフィールドではチチアワが威張ってたんですが・・・。


■ 2009年11月14日 撮影

拡大して見ました。表面のぬめりが雨を吸い込み、ツルツルになってます。
指で触ると凄いヌルヌルさ。この保湿力はヒアルロン酸を思い出す。

■ 2010年10月10日 撮影

キノコが少なかった年でしたが、本種は道すがら掃いて捨てるほど生えてました。
生えてても前年より数は少ないって種が多い中、本種はいつも通りでしたね。
ってか本種に関しては「不作だったな〜」って思った年が無かったような気が。

■ 2010年10月10日 撮影

・・・キレイすぎるっ!!! 今まで見た中で一番綺麗な個体かも。

■ 2010年10月10日 撮影

何かお一人別の方が混じってますけど、とても良い雰囲気のイグチの群生です。
幼菌ですが大型で厚みが有り、食べるならこのサイズが色々使えそうですね。
しかし流石は「滑」の名を冠する種、落葉落枝の付着量には自信アリですね。


■ 2010年10月10日 撮影

そう言えばつばが破れた状態の裏側を全然撮影してなかったんですよねー。
裏側は綺麗な管孔で色は黄色。チチアワタケのような乳液は有りません。
また孔口が細かいので穴一つ一つがハッキリ見えず、管孔に見えませんね。
また柄のつばより上の部分は暗色の細点が有り、チチアワより色が濃いです。

■ 2012年10月20日 撮影

ここは私のお気に入りの場所。毎年ササタケと同時に発生する松林の斜面です。
鮮やかな黄緑色のコケに抱かれるように発生するヌメリの有る傘は実に映えます。

■ 2013年10月26日 撮影

綺麗な群生を見る事ができました。株立ちに見えるけどちゃんと分かれてます。
マツさえ有ればホント何処にでも出ますね。団地内の家の庭にすら出ますし。
ちなみにこの周囲にはマツは1本だけ。小規模でも共生環境を維持できるご様子。

■ 2013年11月02日 撮影

この年は中々に順調だった本種。後ろに見えるのはアカミゴケかな?

■ 2013年11月02日 撮影

重厚感溢れる立派なヌメリイグチさんに出会いました。写真も頑張りました。
これくらいのつばが破れるか破れないかくらいの時期が一番食べ頃ですね。
しかし晩秋でも内部を食われている事が多く、食べるならやっぱ幼菌かな?

■ 2014年10月26日 撮影

一つ一つが巨大な上に群生していて正直気持ち悪かった。しかもテカってる。
この状態まで来ると中は虫だらけ、臭いは不快で到底食えなくなりますね。

■ 2015年11月21日 撮影

本種撮ってて一番映える茶色い傘に緑色のコケ、そしてマツの落ち葉。
この組み合わせが非常に萌えるのです。と言うか撮っていて楽しい。
一般的なキノコなんですが形がキノコキノコしてるのでつい撮っちゃいます。
■図鑑TOPへ戻る