■Synnematomyces capitatus (シンネマトミケス キャピタツス)

■ 2019年08月17日 撮影

初発見時は冬虫夏草か何かだと思って断面作成に挑んだのを覚えています。 その後図鑑とにらめっこしましたが、結局正体は分かりませんでした。 しかし2018年になってTwitterでその正体が判明。種小名に不安が残りますが掲載に踏み切りました。 広葉樹材上に発生する有性世代と無性世代を持つ珍しいハラタケ型のキノコです。 故小林義雄氏が1981年に記載して以降、近年になって発見されています。

ナットウイチメガサ」と呼ばれているみたいですが、まだ正式な呼び名ではないようです。 有性世代ではちゃんとしたハラタケ型の子実体を作りますが、良く見つかるのは無性世代。 有性世代では属名が変わりますが、まだ不明な点が多いようです。 本種もこの種小名のものと同種かどうかは正直疑わしいですけどね。


■ 2019年08月17日 撮影

子実体は基部にを持ち、先端部に無数の「粒」が形成されます。 粒は納豆まめのような形状で、色は橙褐色。 冬虫夏草の子嚢殻に良く似ているので冬虫夏草と間違えそうになります。 本来は先端部にもっさりと粒が集中し、タンポ型のような形状になります。

発見例も少なく、数少ない文献にもミスが存在するため完全に情報不足。 とりあえず食毒不明としておきます。

■ 2017年08月05日 撮影

初発見時は冬虫夏草だと思ってピンセットで掘っちゃいました。 しかし掘っても何も出て来ないのでナンジャコリャ?ってなってそのままスルーしました。 この時はまさかそんな珍しいものだなんて思ってませんでしたからね。

■ 2023年09月24日 撮影

何年も何年も同じ場所にあった大きなブナの倒木が粉々に。 この時はあまり気にしませんでしたが、恐らく材割りだったんでしょうね。 その破片に辛うじて発生していました。 貴重なキノコなので何とか生き延びて欲しいですが・・・もうここには出ないでしょう。


■ 2023年09月24日 撮影

久し振りの出会いが少し残念な状況でしたが、一応写真撮影はしました。 どうか近くの材に移動していておくれ・・・希望はソレだけです。
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