■Terana caerulea (アイコウヤクタケ)

■ 2016年10月02日 撮影

一目見てすぐに名前が浮かびましたね。広葉樹落枝上に貼り付いてました。 和名は「藍膏薬茸」。塗り薬のように木の表面に貼り付くのが和名の由来です。 特に本種はその色合いに間違う余地の無い特徴があるため、同定は超容易でしょうね。 国内ではこのような背着生型のヒダナシタケ型菌が多く存在しますが、本種は特に印象的でしょう。 「青いキノコは?」の問に最も名前が出ない種なんじゃないでしょうか?

種小名の「caerulea」はそのまんま「青い」の意味のラテン語です。そのまんまですね。 ただ海外でこの学名で紹介されているものに比べると、日本のものは明確に濃色で彩度が高いです。 海外の写真はもっとグレーっぽいんですよね。本当に同種なのかなぁ・・・?


■ 2016年10月02日 撮影

本種の最大の特徴は子実体の色。鮮やかな青紫色で実物はもっと綺麗です。 こんな色をした木は存在しないので、青い枝を見たらまず本種を疑いましょう。 縁部が白くなっているのはまだ成長しているため。まだまだ広がるようです。


■ 2016年10月02日 撮影

表面は凸凹しており、表面で胞子が作られます。裏側だけのキノコです。 まだ若い子実体なので、表面がやや毛羽立っているように見えますね。

色もですが厚みの無い硬質菌。硬くてとてもじゃないけど食えませんよ。 ただこのテのキノコの中では特に綺麗な色を持つ種なので、観賞価値は十分すぎるでしょう。

■ 2011年10月01日 撮影

地元の観察会で初めてであった子実体。遠くからも凄い異彩を放っていました。 この子実体は成熟し切っているようで、成長している様子はありませんでした。


■ 2011年10月01日 撮影

拡大してみました。成長途中の物と比べると表面に年季が入っていますね。 完全に硬質化しており、表面に亀裂が見られます。これで完成形でしょう。 成長中はもっと鮮やかな色をしていますが、老成するとちょっと彩度が落ちますね。

■ 2020年10月27日 撮影

久し振りに訪れたフィールドで久々に出会いました。遊歩道に落ちた枝が青く染まっていました。 発見の日付を見ると分かるように10月頃に良く見付かってるんですよね。 これは発生時期と言うワケではなく、落葉や緑の消失により季節的に発見しやすくなるのでしょう。


■ 2020年10月27日 撮影

部分的に樹皮が剥げていましたが、以外にも内部は普通でした。 内部に侵入すると言うよりは、本当に表面付近に居座っているんですね。


■ 2020年10月27日 撮影

遠目に見ると滑らかに見えますが、拡大するとこんな感じで子実層が形成されています。 やっぱこの深い藍色は非常に目立ちますね。 決して明るい色合いではないのですが、自然界には無さすぎる色のせいで凄い目に付きます。
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