■Torrubiella sp. (コメツキヤドリシロツブタケ)

■ 2016年09月17日 撮影

イトヒキミジンアリタケの発生坪を探索中に地上生の見慣れる虫草を発見。 その正体に気付いた時は「マジで!?」と森の中で声を上げてしまいました。 甲虫生の冬虫夏草に感染するレア重複寄生菌の「米搗宿白粒茸」です。 2015年虫草祭でもベスト・オブ・ベスト賞を頂いたほどの珍種だったりして。

名前はこんなですが実はコメツキムシタケ以外にも出ます。 事実このフィールドでは発見当時コメツキムシタケだと勘違いしていただけで、 実際にはコツブユラギハリタケから発生しています。


■ 2016年09月17日 撮影

茶色いストローマは寄生元のコツブユラギハリタケ。白いつぶつぶが本種です。 本種は子嚢殻を直接形成するトルビエラ型の子実体を形成します。 白いと言っても純白ではなく、若干黄色みがかった色合いをしています。 重複寄生菌には暗色の子嚢殻を作る種が多いため、本種は少数派か? ちょっと古いので黄色っぽいですが、下の方の奴が成熟した子嚢殻です。


■ 2016年07月23日 撮影

実はコイツ定点観測していました。コチラが約2ヶ月ほど前の同一個体。


■ 2016年07月23日 撮影

拡大するとこんな感じで全体的に白い菌糸に覆われているのが本来の姿。 この小さな粒一つ一つが子嚢殻の形成初期で、ここから大きくなって来ます。 残念ながらこの感染部位が傷んでしまったため下方に移動したようです。 本来なら全体に透明感のある白い子嚢殻が・・・来年以降の課題としますか。

食えるもんなら食ってみろですよ。この白い部分だけどうやって食うの? 毒はないでしょうが薬にもならないと思うので、専ら愛玩用ですねぇ。
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