★Tricholoma matsutake (マツタケ)

■ 2018年09月15日 撮影

雨降る亜高山帯針葉樹林にて久々の発見!日本人の遺伝子に組み込まれたキノコです。 秋にアカマツコメツガのなどの針葉樹林地上に発生する秋の風物詩「松茸」です。 古くから日本人に愛され、様々な文献にその名が登場する事でも有名ですね。 冒頭で食毒のネタバレはしないようにしてるのですが、日本人が愛する最高級の食菌です。

以前は我が国を代表する文化に根付いたキノコでしたが、松枯れの病害と薪の使用減少による山の荒廃により劇的に数を減らしました。 マツタケ減少の要因はかなり色んな要素が絡んでいるようなので、ここでは割愛しておきます。

この日はあいにくの天気のためレンズに水滴が・・・ご了承下さい。


■ 2018年09月15日 撮影

樹の根が覆いかぶさった洞穴の内部に生えていたため人目につかなかったようです。 傘の直径は25cm。亜高山帯で見られるマツタケとしては、これでも小さいほうでしょう。 傘は褐色繊維状であまり知られていませんが湿時強い粘性を持ちます。 最初は暗いのでイグチだと思ってスルーしかけましたが、触った指先を嗅いだらあの香りが・・・!


■ 2018年09月15日 撮影

マツタケだと確信したのは顔を低くして見上げて特徴的なつばを見たときでした。 反り返った斜面から出ていたため柄が大きく沿っています。 酸素が大好きなマツタケはこのような通気の良い傾斜地を好みます。


■ 2018年09月15日 撮影

ひだは白色で古くなると褐色を帯び、最初は膜質のつばに覆われています。 つばは膜質とは言えかなり厚みがあり、しっかりしています。 柄はつばより上部が白色、つばより下は傘と同色の繊維状鱗片に覆われます。 柄も湿時はかなり粘性が有りますが、低地の個体には見られないような・・・? マツタケの柄は基部ほど太まる性質が有るとされていますがこの個体は逆。 やはりアカマツ系とコメツガ系ではかなり性質に差が有るように感じます。 肉は白色で緻密。柄の中までしっかり詰まっており強い食感が有ります。

極めて高級な食菌であり、その香りは日本人を古くから魅了し続けています。 この特有の臭いはマツタケオールと呼ばれ、人工的に合成もされています。 ただし海外では「軍人の靴下の臭い」とも呼ばれて忌み嫌われています。 学名からも分かるように和食に良く合い、何と言っても炭火焼きは最高です。 炊き込みご飯や土瓶蒸し、お吸い物など使えば全てが高級料理に早変わり。 傘が開いていてもその香りは素晴らしく、我が家のお茶漬けと炊き込みご飯、焼き松茸になっていただきました。

■ 2013年10月05日 撮影

初めて自分の手で発見した子実体。 偶然出会ったベテラン狩人の方々と成り行きで同行させて頂くこととなり、そのフィールドで発見! 「持ってって良いよ」と言って頂けたのでお礼?に私が発見した巨大なクロカワをお渡ししました。 最初はフウセンタケ属菌だと思ってスルーしかけました。


■ 2013年10月05日 撮影

非常に立派な幼菌だったのですが傘が破損していたのが少し残念。 この時から撮りなおしたいなとは思っていました。 しかし若い子実体の香りはやはり強いですね。撮影時も香りまくっていました。


■ 2013年10月05日 撮影

引き抜いてみるとコケに埋もれて高さは何と20cm。これでも小さいそうです。 不幸中の幸いか、傘周辺が破損したことでつばの構造が分かりやすくなっています。 やがてひだを覆っている膜質のつばが破れて柄に残ることとなります。 やはりこの子実体も基部に行くほど細くなりますね。
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