■Tulostoma adhaerens (アバタケシボウズタケ)

■ 2014年11月08日 撮影

海岸を代表する変わり者の腹菌型。やっと出会えた「痘痕芥子坊主茸」。
砂浜のイネ科植物周辺で枯葉を分解していると言われるが生態は不明。
菌根を形成するワケでもなく何故この環境を選択したか良く分かりません。
外見の似た種が幾つか有りますが、本種ならではの分かりやすい特徴有り。

毒は無いようですが、非常に小型で食用価値はに関しては皆無です。
そもそも本種は新鮮な時は植物に隠れて発見はまずできません。
なので草が枯れ砂地が見える晩秋〜冬の寒い時期でに良く見付かります。
よって撮影できるのは子実体がすでに熟した状態ばかりなのです。
発生環境的に子実体が腐らず乾燥した状態で長期間残りますからね。

■ 2014年11月08日 撮影

マクロレンズで思いっ切り拡大。直径は1cm程度でかなり小さいですね。
子実体は球形の頭部と地下の柄からなり、柄は少し地上から出る事も。
頭部は灰色で砂粒を付着、砂が落ちた部分があばた状になります。
頂孔が突出しておちょぼ口のようになる事が本種の重要な特徴です。
外見的に酷似するナガエノホコリタケの頂孔は繊維状になりますので。

■ 2014年11月16日 撮影

引っこ抜いてみると地下から長い赤褐色の柄が出て来ました。変な形状!
柄に周囲の海浜植物の根が絡み合っています。共生ではないみたいですが。

■ 2014年11月08日 撮影

本種はとにかく発見難易度が高いです。しゃがまなきゃ気付きませんよコレ!

■ 2014年11月16日 撮影

痛みの少ない子実体が有ったので試しに指でギュっと潰してみました。
すると小さな頂孔から黄褐色の胞子がポフッと飛び出してきました。
やはり小型とは言え雨粒の落下による衝撃で胞子を飛ばすのでしょうか?

■ 2014年11月16日 撮影

砂が不自然にヒビ割れて盛り上がっていたので気になって砂を退かすと・・・。
上の砂が固まっていたので外皮に砂粒が付かなかったらしく滑らかですね。
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