■Tylopilus neofelleus (ニガイグチモドキ)

■ 2009年07月11日 撮影

地元の公園での観察会で初発見。アカマツの多い雑木林の斜面に大群生を作っていました。 非常に大型のイグチで目立つはずなのですが・・・。何故気付かなかった? 大型とは言え全体的に褐色系で枯葉に埋もれると目立たないキノコのようです。 和名に「モドキ」なんて付いてますが、実際はニガイグチにあまり似ていない「苦猪口擬」です。

ちなみに無印ニガイグチの種小名が「felleus」なので、本種の種小名の意味は「新しいニガイグチ」ですね。 雑木林で良く見かけますが、不思議と近くに何らかの針葉樹が存在します。


■ 2009年07月11日 撮影

同じ群生を下から撮影してみたのですが、肝心の裏面が暗くて写りませんでした。 なので詳細はすぐ隣に有った別の群生を用いて説明します。

結構有名な話ですが、本種は極めて苦く食用不適です。 ただその苦味ってのが常軌を逸しており、友人に黙って齧らせたら確実に友情破壊になります。 想像を絶する凄まじい苦味。ニガクリタケの苦味がいかに心地良いかが分かるかと思います。 ただこっちは毒素では無いので危険性で言えばニガクリに軍配が上がりますが。

■ 2009年07月11日 撮影

別個体で特徴を説明します。斜面だったので三脚が立たず手ブレでダメでした。 傘はビロード状で帯紫褐色ですが、オリーブ色を帯びた個体も有ります。 ただ本種の場合、最も特徴が出るのは裏側ですので、詳細に説明します。


■ 2009年07月11日 撮影

柄は傘とほぼ同色。上部に細かな網目が有ります。管孔は始め白色ですが・・・?


■ 2009年07月11日 撮影

管孔は白色です。ただ管孔の穴の入り口、つまり孔口が紫色なのです。 孔口のみが色付くのが特徴で、拡大すると穴の内部は白いのが分かります。 他のイグチ属にはあまり見られない特徴ですので、同定の決定打になります。 管孔自体も成長と共に淡い紅色を帯びるため、最終的には結構エグい色合いになります。 ちなみに変色性が無いので、管孔も肉も傷付けても色は変化しません。

■ 2018年09月09日 撮影

大台ヶ原の広葉樹とモミの混成林にて発見。最初は傘の色合いからオクヤマニガイグチだと思いました。 しかし見上げてみると管孔の色が・・・ちょっとがっかり。 でも亜高山帯で見ると背景も相まって一気に雰囲気が良くなりますね。


■ 2018年09月09日 撮影

この日は雨だったので傘が濡れています。 左の傘を見ると粘性があるように見えますが、右を見ると綺麗に水を弾いているのが分かります。


■ 2018年09月09日 撮影

正直な話、この写真を撮るまではオクヤマだと思っていました。 しかしどう見ても孔口が紫色を帯びています。これは疑いようがありません。 オクヤマは古くなっても紫色を帯びることはありません。 ただ場所が場所だけに味見できなかったのが残念です。
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