■Xylaria magnoliae (ホソツクシタケ)

■ 2017年06月26日 撮影

今までそこそこ見て来たんですが、そのたびに撮影を忘れてゴメンナサイ! 地面に落下したホオノキの穂状花序から発生するマメザヤタケ属の「細土筆茸」です。 春に発生していますが、その段階では子嚢殻を形成せず、成熟するのは秋。 春〜夏は子実体が白くて見付けやすいため、ここで場所を覚えておくと吉です。

ホソツクシタケの近縁種は特定の植物体から発生する性質を持つ種が多数存在します。 本種を代表として、ブナの殻斗、クルミの果皮、フウの実などなど。 一見すると地味なグループですが、色んなものを探してみると面白いかもですね。


■ 2017年06月26日 撮影

子実体を拡大してみました。表面が白いのは分生子に覆われているため。 若い段階では子嚢殻を形成せずに分生子を形成するので目立ちます。 その後、夏から秋にかけて子嚢殻が形成され、表面が粒状になります。 なのでこの段階ではまだ未完成。また秋になったら見に行かなくては・・・。

子実体は強靭で残念ながらと言うか当然ながら食不適です。黒いですし。 子嚢殻ができる前はまだ軟らかさが残りますが、成熟したらもうムリです。

■ 2017年06月26日 撮影

ホオノキの穂状花序から発生したばかりの幼菌です。まるで植物みたいです。 赤い種子には感染せず、種子が脱落した後の残骸を食べて育ちます。 何度か転がったのかな?複数回伸びる方向を変えているみたいですね。

■ 2017年06月26日 撮影

もうここまで見た方はお気付きかと思いますが、本種の成長点は黄色。 そのため配色は先端からから「黄色→灰色→黒」と言う感じになります。 全体的にモノクロ調なキノコなだけに、先端の黄色がやらた目に付きます。

■ 2017年07月01日 撮影

一週間後の亜高山帯ブナ林遠征。立派なホオノキの大木の樹下で発見。 ホオノキは公園などにも普通に植えられていますが、そこでは未見です。 ある程度土壌や空中に水分が多い場所が好きなように感じています。

■ 2017年08月11日 撮影

立派な子実体は台風で流され、辛うじて綺麗に残っているモノを発見です。 表面を覆っていた白い分生子は消滅し、滑らかな表面も変化していました。


■ 2017年08月11日 撮影

表面には子嚢殻の先端が無数に見られます。ここから胞子が噴出します。 ホソツクシ系全般に当てはまりますが、子嚢殻の形成時期が実に嫌らしい。 真夏の蒸し暑い時期なので中々山に入らず、見逃すことが多いんですよね。 まだブナノホソツクシは標高が高いので涼しいんですが、本種は・・・。

■ 2019年08月24日 撮影

若い子実体は分生子が目立つので発見は容易ですが、成熟したものは地味に難易度が上がるんですよねぇ。 成熟したものをTOP写真にしたほうが良いかな?とも思いましたが、若いヤツも綺麗ですからね。 良い写真が取れるまでは不完全世代が一番上でも良いかな?


■ 2019年08月24日 撮影

良い感じに成熟していました。この場所は沢筋にホオノキの花が沢山落ちています。 ですが台風の当たり年は地味に効いたのか、今年は落ちている花が少ないような。 来年の発生はちょっと減るかも知れませんね。
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