■Amanita sp. (テングタケ属 No.001)

■ 2007年09月24日 撮影

正直これを別扱いで載せることは少し抵抗がありましたが、諦めて掲載です。 富士山で「本物」のドクツルタケを見る度にこの思いが膨らんでました。 自分が今まで低地で見て来た死の天使達は「偽物」としか思えない、と。 低地の広葉樹林に発生する小型のドクツルタケっぽい何かです。 「死の天使」と喜んでいた自分の愚かさを認めざるを得ませんね・・・。

まず大前提として小さいことが挙げられます。 富士山で見る個体は巨大でスラリと足が長いですが、低地の個体は完全に別物。 タマゴタケモドキの白色型ではないかともウワサされていますが正体は不明です。 ただ性質的にはドクツルタケと同様と考えておいたほうが良いでしょう。


■ 2007年09月24日 撮影

傘は白色で中央部が高い平らに開き、傘周囲に条線が無いのは同じ。


■ 2007年09月24日 撮影

決め手となったのはこの様につばやつぼが黄色を帯びることでしたね。 富士山や大台ヶ原など亜高山帯で見る大型個体は老成しても真っ白です。 しかし低地の個体は早い段階から上記の決まった場所が変色します。 KOHの反応は同じなのですが、試薬も無しに黄変するのは流石に変です。

過去の事故を考えても本種は致命的な猛毒菌なのは確実だと思います。 ドクツルタケでの中毒死事例の中には低知性のものも含まれている可能性も高そうですしね。 まぁ本当の「死の天使」は低緯度地域の低地でおいそれと出会えるキノコじゃないですし。

■ 2007年09月24日 撮影

自分も後で知ったのですが、このことに触れている図鑑が存在しました。 「ポケット図鑑 日本のキノコ262」に黄変種が紹介されていたんです。 ここではしっかりと「ドクツルタケ近縁種」と言う扱いになっています。

■ 2007年10月30日 撮影

コチラ親戚の家の裏山に生えていた個体群。やはり小型でつばが黄色いです。

■ 2012年08月25日 撮影

非常に美しく普段見るより少し大きかったので一瞬期待したのですが・・・。 良く見るとやっぱりつばが黄色くなっています。コイツも「偽物」ですね。 この個体はつばの縁が黄色い程度ですが、近くにもっと色付いた個体も。

■ 2012年09月02日 撮影

キノコ狩り実況動画でも紹介した地元の場所ですが、やっぱコイツもでしたね。 動画中でも「黄色くなるんだよなぁ〜」とボヤいてましたがその通りでした。

■ 2013年09月14日 撮影

走行中の車からでも薄暗い木陰に真っ白な物が沢山あれば余裕で気付くわ! 用水路の反対側だったので橋を渡って近付いてみると傘まで黄色いし。 意識して見るようになってからは一目見て違和感に気付くようになりました。 アケボノドクツルタケも疑いましたが、色も色付き方も全然違いましたね。


■ 2013年09月14日 撮影

引っこ抜いてみました。柄のササクレもあまり強くないみたいですね。

■ 2020年07月23日 撮影

地元の里山に安定して発生する場所を見付けているので、出会うこと自体は簡単です。 ただ最近発生量が減っており、この年もマトモな子実体はこれくらいしかありませんでした。 でも綺麗に並んだコンビだったので写真映えはしますね。

■ 2021年07月22日 撮影

これは久々に良い子実体に出会えましたね。 2021年はコロナ禍で遠征できないので毎年行く富士山も我慢するしかありません。 なので今年はマジドクツルは諦めて本種で気を紛らわします。でも雰囲気は非常に良かったです。

■ 2022年08月21日 撮影

地元のフィールドで安定して発生する場所を確保しています。 この場所は本来遊歩道と言うか砂利を敷いて遊歩道を整理して自然公園を作ろうとした場所です。 結局開発は頓挫してそのまま放置されたようで、そのお陰で落葉が少なく撮影しやすいんですよね。 そんな場所で凄く良い感じの子実体を発見。正直TOPとの差し替えも悩むレベルでした。


■ 2022年08月21日 撮影

子実体は2つ並んでおり、左は外被膜を破ったばかり、右は少し傘が開いています。 やはりつぼが黄色いですね。つばも黄色いですが、本家には見られない特徴です。


■ 2022年08月21日 撮影

成長したほうの子実体を引っこ抜いてみました。 つぼが横に成長したので柄が横に伸びてから上に向いているので変な形状になってます。 つぼもつばも中途半端に破れていたのでTOP写真にはしませんでした。ちょっと残念・・・。
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