■Moelleriella sp. (モエレリエラ属 No.001)

■ 2016年03月20日 撮影

冬虫夏草を探し始めて何度も出会っていたツバキの葉裏のこのつぶつぶ。 以前見たアスケルソニア属のアレイロディスだと思ってずっとスルーしてました。先入観怖い。 実はコレ、宿主が異なる別種でした。何故もっと早く色に気付かなかった? ツバキコナジラミに感染しますが、関東ではまた別種がこれに感染します。 周囲にはランノウアカツブタケも発生するので空中湿度が大切みたいです。

以前は「Aschersonia goldiana」として掲載していましたが、どうやら間違いでした。 そもそもゴルジアナの元々の同定自体に疑問が残ってるみたいです。 そのため不明種としての掲載位置を変えました。今後分類も変わる可能性大。


■ 2016年03月20日 撮影

一枚綺麗に生えている葉を採取。植物病原菌にしか見えませんねぇ・・・。宿主は完全に菌糸に覆われていて見えません。


■ 2016年03月20日 撮影

更に拡大してみました。本種は子嚢殻を形成しないアナモルフ菌類です。 橙黄色の菌糸が宿主より遥かに大きいサイズに盛り上がっています。 アレイロディスとの違いはこの色。本種の方が明らかに黄色寄りです。 その周囲には白い菌糸が張り出しています。何とも不思議な形状です。 分生子は表面の凹んだ部分で形成されます。感染力は相当みたいですね。


■ 2016年03月20日 撮影

居ました。この黒いツヤツヤしているのがツバキコナジラミ(幼虫〜蛹?)です。 左は感染初期の子実体。ここから3倍ほどの大きさに膨れ上がります。 しかしこんな通気の良い環境では水分が得にくいと思うんですけどね。

食えるもんなら食ってみろってレベル。剥がしてみても宿主は確認できません。 ほぼ完全に分解されて菌の塊状態ですが、食うべきじゃないですね。 どれだけ小型でも毒やアレルギー物質持ってるかも知れませんし。

■ 2016年03月20日 撮影

この場所は気生型の冬虫夏草が出るだけあってかなりの発生規模ですね。 見上げればどのヤブツバキも葉の裏に黄色いツブが見えているレベル。 害虫駆除に使ったら便利・・・と思ったら色んな商品が既に有りました。

■ 2018年08月18日 撮影

あまりにもキノコが不作だったので多分ハズさないであろう本種を採取。 分生子を顕微鏡観察してみました。 子実体に水滴を乗せて表面をカリカリ。それをスライドグラスに押し付けて水封しました。


■ 2018年08月18日 撮影

分生子は中央の膨らんだ紡錘形で内部に油球状の内包物が見られます。 長さは比較的安定しており14μm〜18μmとあまり差が無い感じです。 アレイロディスとされているものと比べると太く長いようですね。
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