■Tolypocladium sp. (トリポクラジウム属 No.001)

■ 2016年09月01日 撮影

八丈島遠征にて初日にガガンボさんが発見した見慣れない冬虫夏草。
最初はヤクシマセミタケだと思われましたが、断面作成で正体が判明。
八丈島はツクツクボウシしか居ないのでおのずと宿主は特定できました。

いわゆるウメムラセミタケ(離島型)と呼ばれているタイプのセミ生種。
図鑑でも同種の別タイプとして紹介されています。でも別にしました。
と言うのも肉眼的特徴が同種とするにはあまりにも違いすぎるのです。
胞子は全く同じなのですが、それだけで同種と納得できず・・・。


■ 2016年09月01日 撮影

子実体はハナヤスリ型ですが、本土型と違って整った結実部ですね。
何よりも明らかに色黒です。暗褐色を通り越して黒に近い感じ?
本土型ウメムラはオリーブ色〜淡オリーブ褐色なので、あまりにも暗色。
あと子嚢殻の密度や柄との境界部の雰囲気が違うのも気になります。
本種の方が子嚢殻が密で、柄の境界部がハッキリ分かれています。


■ 2016年09月01日 撮影

ガガさんが断面作成したので撮影させてもらいました。カッコイイですね。
宿主は菌糸に覆われており、そこから3本の子実体が直接出ています。
本土型とは異なり地下部が完全な直根状で、しっかり繋がっています。

当然ながら食毒不明です。分類に関しても答えが出ることを期待します。
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