■Tolypocladium sp. (トリポクラジウム属 No.003)

■ 2019年05月03日 撮影

やや不作だった春の冬虫夏草遠征、早く切り上げてしまったので時間もあるしもう1ヶ所! と言ってもこの場所は以前どろんこ氏に案内して頂いた照葉樹林。 春に小型のツチダンゴの仲間から発生する菌生冬虫夏草の1種です。

実は本種「サキブトタマヤドリタケ(関東型)」と呼ばれている種です。 なぜ型なんて付いているかと言うと、関西で見付かる典型的なサキブトタマヤドリタケと形態的に異なるためです。 子実体の色や形状などに違いが見られるため、別種である可能性が高いと判断し掲載を分割しました。 ただ本種とは別に同一宿主から出る別種と思しきものも存在するので、複数種が含まれているかも知れません。


■ 2019年05月03日 撮影

子実体は全体的に彩度の低いレモンイエローで結実部はややオレンジ色を帯びます。 結実部は柄よりやや太く、時にタンポ型。子嚢殻は埋生で先端部がやや突出します。

注目すべきは柄と結実部の境界が明確な点と柄が細く太さが均一と言う点です。 関西型の本来のサキブトタマヤドリタケは全体的にからし色で、柄が先端に向けて太まり、柄と結実部の境界が曖昧です。 ここまで携帯的な差がある以上、胞子の特徴だけで同種と呼ぶのは流石に無理があると判断しました。


■ 2019年05月03日 撮影

掘り出してみました。宿主はツヅレシロツチダンゴ近縁種で間違いなさそうです。 この宿主から出ると言う特徴はサキブトタマヤドリタケと同じですね。 ただ灰青色の胞子を持つツチダンゴから出る冬虫夏草はかなりの数存在するようなので、判断基準としては弱い?

食毒不明ですが、非常に小型なので食用価値は無いでしょう。 菌生冬虫夏草だと薬効もあんまり無さそうですしね。分かりませんけど。

■ 2018年03月03日 撮影

どろんこさんにお呼びいただいたオフ会の主役でした。 どろんこさんが発見したコレは宿主が集まって塊みたいになっていました。


■ 2018年03月03日 撮影

少し前に下見で発見していたそうですが、時間が経ってもなお未熟なままでした。 ここまで成長していないのは氏も予想外だったみたいです・・・残念。 また春に見に行こうかってことでオフは終了。でも得た物は大きいです。 この周囲を探すと見つかるってコツを得られたのは地元で活かしたいですね。
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