■Tylopilus sp. (ニガイグチ属 No.002)

■ 2013年07月06日 撮影

最初に見た時はミドリニガイグチだと思っていました。 しかし何となく違和感を感じ、別種じゃないかと疑い掲載を取り止めました。 その後twitter上で本種が議題に上がり、明確に別種であることが判明しました。 シイやカシが立ち並ぶ照葉樹林でたまーに見かける謎のイグチです。 今までもミドリニガイグチやアケボノアワタケと混同されてきたみたいですね。

現状正確な比較検討をしていないので形態から本属としていますが、恐らく別属になりそうです。 Zangia属と呼ばれる新たに新設された属で、海外では本種に似た特徴を持つ種の写真が確認できます。 イグチは分類が今まさに進んでいる感じで慌ただしい界隈ですね。


■ 2013年07月06日 撮影

傘は粗面で粘性は無く、淡オリーブ色でほんのりと赤みを帯びることがあります。 表面が細かく縮れるのはミドリニガイグチでも見られますが、明確に傘の色が異なります。 本種は明らかに傘が明確な緑色を示さない点で慣れると簡単に見分けが付きます。


■ 2013年07月06日 撮影

裏返してみました。管孔は淡紅色で、この色合いはミドリニガイグチに似ています。 柄には網目状の隆起が見られ、基部に黄色の菌糸が見られるのもミドリニガイグチ似。 柄の中ほどが赤っぽくなるのも・・・あれれ?やっぱこれミドリニガイグチじゃね? って思うでしょ?実は全然違うんですよね〜。


■ 2013年07月06日 撮影

柄を拡大してみるとミドリニガイグチには絶対に無い特徴が見られます。 それは網目が赤いと言うことです。正確には「網目が赤く縁取られる」のです。 ミドリニガイグチの網目は隆起のようになっており、全体的に赤くなるのです。 ですが本種の網目は明確に縁取られます。

そもそも新属になりそうな種なので食毒不明も良いトコです。 食毒どころか何もかもが不明ですからね。 ミドリニガイグチは元々食用に向かないので、その点はある意味安心ですけど。

■ 2009年07月11日 撮影

他のキノコの古い写真を探していたら過去に撮影していたことに気付きました。 しかし過去の自分も、知らないながらも別種だと感じてたようで、不明種扱いになっていました。


■ 2009年07月11日 撮影

淡オリーブ色の傘は基本的に未成熟気味で、この色合いと表面の質感が本来かも知れません。 傘表面は細かい鱗片に覆われ、色は帯紅オリーブ褐色・・・と表現すれば良いのかな? 基本的にはオリーブ色なんですが、ほんのりと赤っぽく見える、としか言えません。 これを見ると明らかにミドリニガイグチとは異なりますね。


■ 2009年07月11日 撮影

管孔はやっぱり淡紅色で、柄の基部に黄色い菌糸があるのも同じ。 今回は明るい場所に出ていたためか発色が良く、柄の赤い網目がキレイに出ています。 そう言えば部分的に孔口が大きい気がするんですが、気のせいかな?
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