Autunite/燐灰ウラン鉱
Ca(UO2)2(PO4)2・10-12H2O


20100206 Assuncao Mine, Aldeia Nova, Ferreira de Aves, Satao, Viseu District, Portugal

某雑誌で一目見て以来、ずっと欲しいと願ってきた「燐灰ウラン鉱」です。
和名と化学式中の「U」を見れば分かるように、ウランを含む放射性鉱物です。
これは母岩に薄い鱗片状の結晶が付着したもの。周囲にも無数に存在します。
発している放射線は微弱ですが、念のため金属製のケースに入れてあります。
あとくれぐれも素手で触ったりしない事。保管は他の標本よりも慎重に・・・。


20100206 Assuncao Mine, Aldeia Nova, Ferreira de Aves, Satao, Viseu District, Portugal

結晶を拡大してみました。「ウラン」と聞いておどろおどろしい物を想像しますね。
ですが意外に綺麗です。薄い四角形の結晶です。色は黄色、透明感が有ります。
結晶構造が見やすいですね。周囲にも見にくいですが細かな結晶が散在します。
これが束状に連なった物や、細かな鱗片が母岩を覆った標本が一般的です。

当然、放射線が出ています。α線とβ線は家庭環境でほぼ全て遮蔽する事が可能です。
ただし貫通力の極めて高いγ線は実験施設でもない限り完全遮蔽はまず不可能です。
人間が頻繁に行き来する場所の近くにはあまり置かない方が無難かもしれません。
このサイズの標本であれば、そこまで慎重にならなくても良いとは思うのですが・・・。


20100206 Assuncao Mine, Aldeia Nova, Ferreira de Aves, Satao, Viseu District, Portugal

本鉱が人気が有る理由、それは他に追随を許さない強烈な蛍光性です。
強蛍光として知られている蛍石ハックマン石ですら敵わないでしょう。
周囲が明るくても蛍光しているのが分かるほど、明るい蛍光を発します。
こうして紫外線下で見ると、無数の結晶が付いている事が分かります。
内部にも含まれていると考えられます。見た目よりも放射性は強いか。


20100206 Autun, France

また買ってしまいました。ほぼ本鉱のみで構成されたリッチな標本です。
結晶の量の量がかなり多く、そこそこの放射線が出ていると思われます。
ちなみに「Autun」は名前の由来ともなった原産地。嬉しい原産地標本です。


20100206 Autun, France

拡大してみました。嬉しい事に一つの標本中に様々な形状の結晶形態が見られます。
形状は中央部のような薄い板状結晶。やや透明感が有る結晶が折り重なります。
この形状が雲母に似ているため、本鉱や燐銅ウラン鉱は「ウラン雲母」と称されます。
ちなみに左側には結晶が積み重なった厚みの有る結晶群が見られます。


20100206 Autun, France

やはりこれを載せなければいけませんね。全体が蛍光によって強烈に輝きます。
4cm程度の小型の標本ですが、暗闇で力強く光る姿には感動を覚えてしまいます。
と言いますか、あまり大きい標本は流石に恐くて持つ気も起こらないのですが。
ただ透明感が低いのは純度の加減か。蛍光はもう一つの標本の方が強いです。


20100206 Midnite Mine, Turtle Lake, Deer Trail District, Stevens Co., Washington, U.S.A.

あまり出回る事の無いアメリカのミッドナイト鉱山産の燐灰ウラン鉱です。
小型でサムネイルケースに入るため、管理がしやすく助かっています。
この産地の標本は、本鉱が脱水したメタ燐灰ウラン鉱が多いようです。
ただし肉眼での区別はまず不可能なので、ラベルを信じて掲載します。


20100206 Midnite Mine, Turtle Lake, Deer Trail District, Stevens Co., Washington, U.S.A.

表面に細かな本鉱の結晶塊が見られます。大きさは1mm以下です。
良く見ると薄い板状結晶数枚が積み重なっているのが分かります。


20100206 Midnite Mine, Turtle Lake, Deer Trail District, Stevens Co., Washington, U.S.A.

小型ですが、私が気に入っているのは蛍光時の美しさですね。
結晶が細かく、一つ一つが小さいため、蛍光するとこのように。
実に本鉱らしい光り方ですね。まるで緑色の星空のようです。
ケースから出しやすいので、気が向いたら蛍光を見ています。