Cerussite/白鉛鉱
PbCO3


20100202 Mibladene, Midelt, Khenifra Prov., Morocco

化学式はただの「炭酸鉛」。しかしその美しさは宝石クラスの「白鉛鉱」。
組成に鉛を含むため、見た目よりずっと重量感が有り、持つと実感できます。
産地である「ミブラデン鉱山」は本鉱の主な産地としてあまりに著名。
周囲を取り巻くバラのような結晶は重晶石。この産地特有の産出形態です。


20100202 Mibladene, Midelt, Khenifra Prov., Morocco

色は少し黄色みを帯びますが、透明度が高く、結晶面の光沢も強いです。
モース硬度は3〜3.5と低いにもかかわらず、カッティングされるのも納得。
比重が6.55と大きく、母岩の重晶石も重いため、標本自体がかなりの重量。
鉛鉱物の酸化によって生ずる二次鉱物であり、方鉛鉱が所々に見られます。


20100202 Mibladene, Midelt, Khenifra Prov., Morocco

あまり知られていない特徴ですが、本鉱は紫外線長波で蛍光します。
色はレモンイエロー。想像以上に強く光るので、意表を衝かれます。
ミブラデン鉱山産特有なのか、本来の特徴なのか、情報不足でした。


20100224 Mibladene, Midelt, Khenifra Prov., Morocco

同じくミブラデン産の大きな白鉛鉱の結晶です。結晶のみで2.5cm有ります。
比重が大きいため、小さい標本なのに手に持つと似合わぬ重量を感じます。
下に見える赤い結晶は母岩となっている重晶石。この産地では相棒ですね。


20100224 Mibladene, Midelt, Khenifra Prov., Morocco

非常に強い光沢を持つため、撮影の際に苦労させられました。
強い双晶習慣が有る鉱物なので、複雑に重なり合っています。
そのため多数の結晶面を持ち、光の反射が美しいのも魅力的です。
この産地の大きめの結晶は何故か結晶のみの流通が多いですね。


20100202 Mibladene, Midelt, Khenifra Prov., Morocco

大きいため湧き上がるように強く蛍光します。