Fluorite/蛍石
CaF2


20100206 Rogerley Mine, Frosterley, Weardale, North Pennines, Co. Durham, England

蛍光鉱物の代名詞でしょう。コレクターに人気の高い「蛍石」です。
「フローライト」と呼ばれる事がほとんどだと思われますが・・・。
モース硬度4の指標鉱物。色や形が非常に多彩で人気が有ります。
和名に「蛍」と付いていますが、これは加熱によって蛍光するため。
良く見ると結晶一つ一つがサイコロのような六面体になっています。
Rogerley鉱山産のフローライトは中でも特に変わった特徴を持ちます。


20100206 Rogerley Mine, Frosterley, Weardale, North Pennines, Co. Durham, England

とても美しい濃緑色で透明度が高いです。結晶のダメージも少ないですね。
黒い塊は表面が風化した方鉛鉱です。周囲は細かな石英と本鉱の混合です。
大きな結晶は隣り合った結晶と貫入して双晶になってる物が多いです。


20100206 Rogerley Mine, Frosterley, Weardale, North Pennines, Co. Durham, England

この鉱山から産出するフローライトは、ある性質のために極めて有名です。
それは他の産地とは比較にならないほどの強い蛍光性。本当に凄いです。
その蛍光性の強さゆえに、太陽光にかざすだけで青く蛍光してしまいます。
照明を消して紫外線長波を当てると、驚くほど明るい蛍光を示します。
最初から青っぽいのは、撮影のため手でUVランプを持っていたためです。
20cm先から発するUVでここまで色が変化すると言うのは自分でも驚きでした。
明るい場所でここまで明確に蛍光する本鉱の産地は世界中でも極僅かです。


20100214 Rogerley Mine, Frosterley, Weardale, North Pennines, Co. Durham, England

太陽光による蛍光を撮影してみました。後ろに白い紙を置いています。
夕方は朝日よりも紫外線が多いため、色の変化が分かりやすいです。
Frazer's Hush鉱山産とは異なり、元が緑色なのでこのように見えます。


20100206 El Tule Mine, Melchor Musquiz, Coahuila, Mexico

小さな販売コーナーで売られていました。掘り出し物だと思います。
最初はメキシコ産しか分かりませんでしたが、産地が判明しました。
結晶の直線部分が長い辺が5cmある、かなり大型の結晶を含みます。


20100206 El Tule Mine, Melchor Musquiz, Coahuila, Mexico

深紫色の本鉱に犬歯状の方解石が無数に付着しています。
両者はよく互いを伴った状態で発見される事が多いです。
両方カルシウムの化合物、当然といえば当然なのですが。


20100206 El Tule Mine, Melchor Musquiz, Coahuila, Mexico

こちらは裏側。直線的な結晶構造がはっきりと確認できます。
結晶面が成長度合いの違いによって段々になる「骸晶」が美しいです。
不透明に見えますが、光に透かすとこの通り。かなりの透明度です。
内部に色の濃淡が見えますね。これは「ゾーニング」とも呼ばれます。
光にかざすと分かるのですが、内部の方が色が薄いようです。


20100206 El Tule Mine, Melchor Musquiz, Coahuila, Mexico

本鉱自体は紫外線長波で黄色くぼんやりと蛍光します。
紫色が薄い部分の方がより強く蛍光する傾向にあります。
方解石にも蛍光性が有るので、このように見えます。


20100206 Nasik District, Maharashtra, India

ずっと欲しいと思っていた球状の蛍石の標本です。形状がユニークです。
蛍石と言うと思い浮かぶ形状は六面体や八面体の結晶がだと思います。
しかしインドからは丸く膨らんだような丸い結晶が産出されています。
不思議な事にインド産の標本はほとんどがこのような形状ですね。
色も豊富なので集めると楽しいですよ。透明度の高い物は超高価ですが。


20100206 Nasik District, Maharashtra, India

拡大してみました。色は黄〜オレンジ色で、やや透明感が有ります。
この標本は晶洞中に成長した物で、透明な石英に乗っています。
角張った印象が強い鉱物ですので、このような標本も有って良いですね。


20100206 Nasik District, Maharashtra, India

一応はフローライトなので、紫外線を当てると黄色い蛍光を放ちます。
周囲の白い土のような物も本鉱なので、紫外線を当てると光ります。
蛍光は透明度が低いほど見えやすく、実際の蛍光性は弱いのでしょう。


20100206 Aouli, Midelt, Khenifra Prov., Morocco

モロッコ産の美しい黄色の蛍石の結晶です。あまり見かけないタイプですね。
水晶の母岩表面に、結晶構造がしっかりした黄色の本鉱が無数に存在します。
黄色で立方体の形をした標本は比較的珍しいのですが、お手頃価格で入手。
鮮やかな黄色の蛍石の産地は限られているので、入手しておきたいところ。


20100206 Aouli, Midelt, Khenifra Prov., Morocco

透明度が高く、光に透かして見ると本当に美しいですね。


20100206 Aouli, Midelt, Khenifra Prov., Morocco

紫外線長波で紫色に蛍光します。ただしかなり光源を近付けないと見えません。
また短波の場合ですが、同じく弱いですがクリーム色の蛍光を放ちます。


20100206 Lucky Strike Prosp., Sierra Co, New Mexico, U.S.A.

「Prosp.」は「Prospect(採鉱有望地)」の略。ラッキーストライク産の蛍石です。
一時期ショップで見かけましたが、それ以来見た覚えが無いような気がします。
日本での流通は少ないようですね。珍しい産地の標本だと思います。
結晶は小型ですが、標本自体はそこそこ大きいので見応えが有ります。


20100206 Lucky Strike Prosp., Sierra Co, New Mexico, U.S.A.

結晶は紫がかった淡い青色ですが、あまりにも淡くてグレーに見えます。


20100206 Lucky Strike Prosp., Sierra Co, New Mexico, U.S.A.

この産地の蛍石の特異な性質、それは光源の種類による変色です。
蛍光灯光源では青色ですが、白熱電球光源では紫になります。
他のニューメキシコ産の青色の本鉱にも同様の変化が見られます。
蛍光性は弱く、長波紫外線を当てても非常に弱く光る程度です。


20100206 Frazer's Hush Mine, Rookhope District, Weardale, North Pennines, Co. Durham, England, UK

太陽光でも蛍光する強蛍光性の本鉱と言えばRogerley鉱山の緑色結晶が有名ですね。
しかしもう一つ、同じ英国に同レベルの蛍光性を示す本鉱の産地が存在しました。
残念ながら1999年に閉山されてしまいましたが、数多くの標本を産出した鉱山です。
この標本もかなり前に産出されたオールドコレクションです。大切にしたいですね。


20100206 Frazer's Hush Mine, Rookhope District, Weardale, North Pennines, Co. Durham, England, UK

最大結晶で一辺が2cm有ります。この産地の物としては比較的大型と思われます。
色はライトパープル。ダメージも少なく、結晶同士が至る所で貫入しています。
周囲は細かな石英に覆われています。母岩も綺麗なのはありがたいですね。


20100206 Frazer's Hush Mine, Rookhope District, Weardale, North Pennines, Co. Durham, England, UK

蛍光性はこの通り、暗闇での蛍光も美しいですが、太陽光でも蛍光を示します。
元々紫色なので分かりにくいですが、太陽にかざすと明らかに色が濃くなります。
左手前から右裏にかけて結晶が付いているため、同時撮影はできませんでした。


20100206 Clay Center, Ottawa Co., Ohio, U.S.A.

オハイオ産の蛍石の超大型標本。母岩を含めて幅が12cm有り、重量も中々です。
小型標本を購入し、その独特な蛍光性に取り付かれ、思い切って入手しました。
ちなみにこの更新現在、所持する全標本の中でTOP3に入る高額標本。
イリノイやナミビアのように産地によるブランド性を持つ蛍石の一つです。
保存状態が極めて良く、母岩の真っ白な天青石も美しい良質な標本です。


20100206 Clay Center, Ottawa Co., Ohio, U.S.A.

拡大してみました。小型標本よりも明らかに色が濃いです。最早ブラウンです。
透明度も高く結晶も大型。シャープも綺麗に保たれた、素晴らしい標本です。
この産地の標本は何故か結晶の角のダメージが他の産地と比べて少ないです。
じっと眺めていると美味しそうに思えてきます。舐めても無味無臭でしょうが。


20100206 Clay Center, Ottawa Co., Ohio, U.S.A.

これは本当に凄い。紫外線長波で神秘的な乳白色の蛍光を発します。
蛍光性がかなり高く、照明を消さずとも色の変化を確認できるほど。
これほどの蛍光を見せる本鉱は、恐らくオハイオ産のみと思われます。
じっくり観察すると同一結晶内部で明るさに濃淡が有る事に気付きます。
そしてすぐに結晶自体の色の濃さに比例している事にも気付きます。
暗闇で蛍光させて眺めるこの贅沢。やはりオハイオ産は良いですね。


20100206 De'an Mine, Jiujiang Prefecture, Jiangxi Province, China

つい最近になって国内で流通しはじめた中国産の八面体大型標本です。
大型で美しく、値段もお手頃なので一気に浸透したイメージが有りますね。
どうしても蛍光性に注意が向きますが、この標本はまた別の魅力を感じます。
大きさも幅12cm超えのキャビネットサイズの上に、凄いのがその色合い。


20100206 De'an Mine, Jiujiang Prefecture, Jiangxi Province, China

表面がすりガラス状なので光沢は抑えめですが、光に透かすとこの美しさ。
大きい物で一辺が4.5cm。内部は緑色で表面近くは紫色になっています。


20100206 Nasik District, Maharashtra, India

近年になって異様に人気が高くなったのがこの手のインド産の本鉱です。
石英の大きな晶洞の中に付着する形で発見されるので、見栄えが良いですね。
球状の塊で見付かる事が多い産地ですが、どれが本鉱か分かりますか?


20100206 Nasik District, Maharashtra, India

実はこの赤い物体こそが蛍石です。驚くことに鮮やかな赤色なんです。
この標本の右側のやや色が付いた部分は石英ではなく方解石です。
蛍光性も無く、透明度も低いですが、その色合いからとても人気が高いです。
そもそもインド産は黄色〜褐色の事が多く、ここまで赤い標本は珍しいです。
水泡のようにプクプクと湧き出る感じが、何とも愛らしくて気持ち悪いです。


20100206 Frazer's Hush Mine, Rookhope District, Weardale, North Pennines, Co. Durham, England, UK

とある鉱物ショーの売店にひっそりと置かれているのを発見しました。
多分知ってる人じゃないと見向きもしなかったのではないでしょうか?
Frazer's Hush鉱山のパープルフローライトが格安で売られていました。
小さな標本でも10000円はするはず。まさか5000円で釣りが来るとは。
古いラベルが付属するオールドコレクション。嬉しい出会いでしたね。


20100206 Frazer's Hush Mine, Rookhope District, Weardale, North Pennines, Co. Durham, England, UK

結晶の大きさは以前入手した物に比べると小さいですが、透明度が高いです。
細かな結晶が集合し、光にかざすとキラキラと光り、非常に美しいです。


20100206 Frazer's Hush Mine, Rookhope District, Weardale, North Pennines, Co. Durham, England, UK

中にはほとんど不純物や亀裂を含まない結晶も・・・。小型ですが。
じっくり観察すると部分的に緑色を帯びた部分が有るのが分かります。


20100206 Frazer's Hush Mine, Rookhope District, Weardale, North Pennines, Co. Durham, England, UK

驚いたのがその蛍光性です。長波紫外線で驚くほど濃い青色に蛍光します。
同じ産地の別の標本と比べてみても明らかに蛍光性が強いです。純度の影響か?
更に凄いのが太陽光に当てた時の色の変化。Rogerley鉱山産と同じレベルです。
この淡い色合いの結晶がとても鮮やかな濃い紫色に変化する様子は圧巻ですよ。


20100512 Nasik District, Maharashtra, India

今後価値が上がると予想されるのがナシク産の球状フローライトです。
2010年のツーソンショーの品ですが、本年度は流通量が激減しました。
現地の鉱山が閉山したと聞きましたが、詳しい事情は分かりません。
オレンジ〜黄色の結晶が多いですが、鮮やかな色合の物は少ないです。


20100512 Nasik District, Maharashtra, India

石英の晶洞にへばり付くように半球状の結晶が見られます。
透明度が高く色も鮮黄色の質の高い標本です。母岩も綺麗ですね。
表面に微細な石英が付着しており、まるでラメのように反射します。
微かに蛍光するようですが、透明度が高いために肉眼では確認不可。


20100512 El Hamman, Ouarzazate Prov., Morocco

あまり国内では見ないタイプ、モロッコ産の濃青色の標本です。
産地のEl Hammanは黄鉄鉱を伴なう黄色い結晶の産地としては有名ですね。
確かにウェブ検索してみても出てくる画像はほとんど黄色い結晶ばかりです。
しかしこの青色のフローライトには非常に魅力的な性質が有ります。


20100512 El Hamman, Ouarzazate Prov., Morocco

この産地らしいと言いますか、微細な黄鉄鉱が結晶表面に付着しています。
色は真っ青ではなく、少し水色がかったような濃青色、と言う感じです。
光に透かすと息を飲む美しさですが、光源を変えると面白い事が起こります。


20100512 El Hamman, Ouarzazate Prov., Morocco

なんと白熱電球光源では紫色に、しかもかなり肉眼的にカラーチェンジします。
明るい場所でも後ろから照らせば紫色に見えるほど明確に変化するので驚きます。
ニューメキシコ産でも似た現象が起きますが、色が濃い分より分かりやすいです。
また蛍光性も高く、紫外線長波で明るい青色の蛍光を示すなど盛り沢山ですね。