Mordenite/モルデン沸石
Na3KCa2Al8Si40O96)・28H2O


20100204 Jalgaon District, Maharashtra, India

最大級の鉱石グループ、沸石グループに属する「モルデン沸石」です。
本鉱は沸石の中でも特に細い結晶を形成する事で有名な鉱物です。
しかしその脆さから、美しい姿を保った標本が少ないのが玉に瑕。
付着している母岩も地味な事が多いのですが、この標本は違います。

この標本はその欠点を補って余りある、とても素晴らしい標本です。
価格もやや高めでしたが、それだけの価値は充分有ると思っています。


20100204 Jalgaon District, Maharashtra, India

オーケン石に似ていますが、結晶1本1本がしっかりしています。
それだけではなく、左の球体は直径が4cmを越え、かなり大型です。
まるでケサランパサランのようですね。実際見た事は有りませんが。
しかも母岩がアメシストの晶洞なのが何とも嬉しい!最高のオマケです!


20100204 Nasik, Maharashtra, India

晶洞の内部で成長したモルデン沸石の結晶です。本当に愛らしい外見ですね。
このような結晶タイプはとりわけオーケン石に似ているので注意が必要です。
性格には結晶面を確認する他無いのですが、これだけ細いと肉眼では不可能。


20100204 Nasik, Maharashtra, India

拡大してみました、流石に輸送時はノーダメージとは行かなかったようです。
横から見ると手前に飛び出た結晶はその多くが折れてしまっているようです。
幸い晶洞内に向かって成長した結晶は折れずに残っているようで一安心。
本鉱はオーケン石と比べて結晶が長く隙間も広いので少し毛羽立って見えます。


20100204 Nasik, Maharashtra, India

拡大してみました。思ったより隙間が多く、結晶も細いです。


20100226 Mumbai District, Maharashtra, India

本鉱の優秀な産地としてはインドのジャルガオンやナシクが有名です。
しかしこれはオーケン石の主な産地であるムンバイ産の標本です。
母岩も似ており、最初見た時はてっきりオーケン石だと思いました。
ラベルの表記が間違っていますね。後で修正したので大目に見て下さい。


20100226 Mumbai District, Maharashtra, India

近付いて良く見るとオーケン石とは結晶の形状が異なっているのが分かります。
それより素晴らしいのは結晶の保存状態。全くと言って良いほどのノーダメージ。
晶洞に囲まれており、割れた痕跡も無いため、これほどの質を保てたようです。
わずかに晶洞が貫通しているため、後ろから光を当てると幻想的ですよ。


20100226 Mumbai District, Maharashtra, India

ただの白い毛になっている事が多い鉱物ですが、なんと結晶に透明感が有ります。
写真では分かりませんが、ルーペを用いると斜方晶系だと言う事が確認できます。