Quartz/石英
SiO2


20100206 Wadh, Baluchistan, Pakistan

説明する必要も無いでしょう。主成分は二酸化ケイ素の「石英」です。
モース硬度7の基準鉱物であり、透明な六角柱状結晶はあまりに有名。
あと意外に知られていませんが、石英は我が国日本の国石です。
私は水晶系鉱物にあまり興味が無いため、有るのは変わり種ばかり。
ここでは石英を主成分とする玉髄も一括りにして紹介させて頂きます。

近年市場に出回り始め、未だに人気が衰えない変わり種水晶。
パキスタン産のオイル入り水晶です。オイルとは原油の事です。
大きな結晶にはなりませんが、とても魅力的な水晶の一種です。


20100206 Wadh, Baluchistan, Pakistan

水晶の中に黄色っぽい部分が見えます。インクルージョンした原油です。
石油は生物由来説が有名ですが、これは無機成因論の証拠と言えます。
確かに生物化石から発生したならば、このような産状は不自然ですね。


20100206 Wadh, Baluchistan, Pakistan

拡大してみました。内部にメタンガスの気泡が見られます。
また所々に黒い粒状の物質が見えますが、これはタールです。


20100206 Wadh, Baluchistan, Pakistan

オイル入り水晶人気の最大の理由。それは強烈な蛍光性です。
当然ですが、二酸化ケイ素の結晶で有る石英は蛍光を示しません。
しかし中の原油部分は紫外線短波、長波双方で強烈に蛍光します。
未加工の原油は蛍光性を持つため、幻想的な光景が見られます。
これは結晶内部で反射し、光源が多く見られるためでもあります。


20100206 Estado de Chihuahua, Mexico

メキシコ、チワワ産の玉髄です。晶洞部のみを取り出した標本です。
この産地の標本には面白い性質が有るため、入手をお薦めします。


20100206 Estado de Chihuahua, Mexico

内部は空洞になっており、覗いてみると縞模様が見られます。
無色で透明感が有るため、光りに透かすと美しいです。


20100206 Estado de Chihuahua, Mexico

チワワ産のカルセドニーの多くに見られるのが、この緑色の蛍光性です。
長波では変化は無いのですが、短波紫外線を照射すると蛍光します。
これは内部に微量のウランが存在するためだと考えられています。
警戒したくなりますが、極めて微量であるため、問題は無いかと。