Sapphire/サファイア
Al2O3


20100224 Balangoda, Ratnapura District, Srilanka

正式な鉱物名は「コランダム」ですが、ここでは「サファイア」とします。
物質名は酸化アルミニウム。色は違いますがルビーと同じ成分です。
含まれる鉄やチタンの影響でこのような美しい青色を発色します。
モース硬度は9。誕生石も9月。今なお人気の高い宝石の一種です。

主な産地はタイ、スリランカ、オーストラリア等。日本でも産出します。
「サファイア=青」と思われがちですが、実際は様々なカラーが有ります。
赤いコランダムをルビー、それ以外をサファイアと呼んでいます。


20100224 Balangoda, Ratnapura District, Srilanka

サファイアは六方晶系であり、本来はこのような「ミノムシ型」になります。
透明度が高く表面が滑らかな標本は滅多に市場に出る事は有りません。
また母岩付きの標本が少なく、ほとんどが単結晶または塊状のようです。
高さ1.7cmほどですが、非常にダメージが少ないお気に入りの標本ですね。


20100224 Bo Pholi, Kanchanaburi, Thailand

タイ産の美しいサファイアです。カンチャナブリは世界的に有名な産地です。
アルカリ玄武岩から宝石質の結晶が産出しましたが、産出量は減少中。
またこの産地からは宝石にならない小型結晶が市場に出回っています。


20100224 Bo Pholi, Kanchanaburi, Thailand

共に1cm程度の結晶で色ムラが有り、残念ながらカットには向きません。
しかしコランダム特有の強い「照り」が有り、透明度も高い美しい標本です。
反射が強いので、カメラを持つ手の色合いが写り込んでしまっていますね。


20100224 Bo Pholi, Kanchanaburi, Thailand

左側の小さい結晶の裏側です。青色の縞模様が現れています。
このような小型結晶では珍しく、六方晶系が確認できますね。


20100504 Ilmen Mts. Chlyabinsk, Ural, Russia

意外と少ないのがサファイアの母岩付き標本。ほとんどが結晶単体です。
ルビーは母岩付きの流通はそれなりに有るのですが・・・何故でしょうね。
本鉱に限らず宝石となる鉱物は結晶のみの販売が多くなってしまいますね。
今回は良質な標本を入手できました。白い母岩に結晶が付いています。
ちなみに産地のイルメンは濃青色の結晶を産する事で知られています。


20100504 Ilmen Mts. Chlyabinsk, Ural, Russia

非常に濃い色合いですね。母岩に埋まっているので黒く見えますね。
これは結晶が母岩に埋まっているためで、光を当てると内部も透明です。
結晶面も綺麗に保たれており、一部にやや六角形を感じさせる部分が。