Wavellite/銀星石
Al3(PO4)2(OH,F)3・5H2O


20100130 Mauldin Mt, Montgomery Co., Arakansas, U.S.A.

「銀」と言う字が名前に入っていますが、銀は組成的に含まない「銀星石」です。
しかも色は緑色である場合が多く、透明感が有り、金属光沢も全然有りません。
実はこの「銀色の星」は、結晶が割れてしまった場合に限り見られるのです。
なので、標本としては割れた結晶と割れていない結晶が共存するものを選ぶべき。
余談ですが、この標本、形が悪くて固定に滅茶苦茶苦労したのを覚えています。


20100130 Mauldin Mt, Montgomery Co., Arakansas, U.S.A.

分かりますでしょうか?この球体は放射状に広がった微細な柱状結晶の集合体。
内部は青緑色にうっすらと色付いています。先端部は透明感が有りますね。
これが割れると母岩に密着している周辺部だけが残り、星のようになります。


20100130 Mauldin Mt, Montgomery Co., Arakansas, U.S.A.

同じ産地ですが、全く違った結晶構造をした銀星石の標本です。
本鉱は丸い放射状結晶になるのは基本ですが、バリエーションが豊富です。


20100130 Mauldin Mt, Montgomery Co., Arakansas, U.S.A.

上の標本では結晶一本一本が太く、柱状結晶一つ一つが肉眼で確認できました。
しかしこの標本は丸くなるのは同じですが、表面にデコボコが見当たりません。
これは結晶一本が極めて細いためです。割れた断面はまるでシルクのような光沢。
どうやら2段階に別けて結晶したようで、中にもう一つの球体が隠れています。