Willemite/珪亜鉛鉱
Zn2SiO4


20091212 Palmerton, CarbonCounty, Pennsylvania, U.S.A.

蛍光する鉱物としては真っ先にその名前が挙がる鉱物「珪亜鉛鉱」です。
その和名の通り、亜鉛の珪酸塩鉱物であり、色も透明度も様々です。
有名な標本はフランクリン鉄鉱や方解石と共に産出するタイプのもの。
このような本鉱のみで構成された標本や、透明度の有る標本は稀です。


20091212 Palmerton, CarbonCounty, Pennsylvania, U.S.A.

表面を覆っている淡黄色の微細結晶が本鉱。一部樹状になっています。
注意して見てみると標本の大まかな形状が、所々球形に見えますね。
これは一度球形に成長した本鉱の表面を再度本鉱が覆っているため。
断面を見ると内部も透明度の高い本鉱で構成されています。


20091212 Palmerton, CarbonCounty, Pennsylvania, U.S.A.

蛍光灯の蛍光物質にも応用されている珪亜鉛鉱の蛍光です。凄いの一言。
短波紫外線で蛍光する鉱物ですが、この標本は長波でも蛍光を示します。
その明るさは暗闇では明るすぎるほど。燐灰ウラン鉱と良い勝負でしょう。
突出した部分は先端のみが強く光り、まるで星空のように見えます。


20120104 Mina Erupcion Los Lamentos, Chihuahua, Mexico

珪亜鉛鉱と言えばフランクリン鉄鉱と共に産出する赤褐色の物が有名ですね。
本鉱の標本の多くは不純物を含んだ半透明〜不透明な状態で発見されます。
ですが稀に微細な純結晶で産出する事が有り、無色透明な結晶を観察できます。


20120104 Mina Erupcion Los Lamentos, Chihuahua, Mexico

一般的な姿に慣れるた方は珪亜鉛鉱だと言われてもピンと来ないでしょうね。
この微細な柱状結晶が本鉱の純粋な結晶。実は完全に無色透明なのです。
非常に細いですがルーペで観察すると頂部の平面くらいは確認可能です。
ただ母岩があまりに脆く、わずかな衝撃で端が崩れるので苦労しています。


20120104 Mina Erupcion Los Lamentos, Chihuahua, Mexico

純粋な結晶ならさぞ蛍光するかと思いきや、短波紫外線でこの程度の蛍光です。
長波では全く光りません。これは透明度が高すぎるためだと思われます。
透き通った水と濁った水、同じ光を当てれば明るく見えるのは濁った水です。