■specimen_No.001_M Malischevo, Tokowaya-River, Ural, Russia
■ Alexandrite / 金緑石・アレキサンドライト
□ BeAl2O4
希少宝石として名も値も高い金緑石(クリソベリル)の変種です。
その特異な性質から原石もルースも極めて人気が高く、良質の標本は国内外共に入手困難です。
原産地はロシアのウラル山脈東側トコワヤ川付近のエメラルド鉱山ですが、現在はタンザニアやジンバブエから良質の結晶が発見されています。
しかしやはり雲母片岩に埋もれた原産地標本を手元に置いておきたくなるのが性分と言うものです。そのエピソードも魅力的ですからね。
原産地トコワヤ川産の標本は2つ所有しています。
どちらも現在は入手困難で貴重ですが、特に標本No.001は結晶の数、大きさ、透明度共に素晴らしいです。
ただ透明度の高さからかカラーチェンジが弱く、肉眼では薄っすら変化しているように見える程度ですね。
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■specimen_No.001_M Malischevo, Tokowaya-River, Ural, Russia
通常の金緑石と同一鉱物であり、斜方晶系の酸化鉱物であることは変わりません。
モース硬度が8.5もあるので宝石としての価値は十分です。
蛍光灯光源や自然光下ではこのように青緑色に見えます。
実は管理人の部屋は今まで蛍光灯照明を使用しており、撮影用の照明も蛍光灯でした。
しかし部屋の照明をLEDに切り替えた際に、なぜか今まで青緑色に見えていた結晶が真緑に。
どうやらLED光源だとスペクトルの関係で緑色が強くなるようです。これは知りませんでしたね。
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■specimen_No.001_M Malischevo, Tokowaya-River, Ural, Russia
実は発見された段階では自然光下で緑色に見えていたため、場所がエメラルド鉱山と言うこともあってエメラルドだと思ったそうです。
しかし夜に人工照明下で赤色に変化したため、別の鉱物であることが判明しました。
名前の由来に関しては「本鉱物がロシア皇帝に献上された日が皇太子のアレクサンドルⅡ世の誕生日だったため」と言う説が有力です。
また当時のロシア軍の軍服が赤と緑だったと言うのも、ロシアとの不思議な縁を感じさせますね。
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■specimen_No.001_M Malischevo, Tokowaya-River, Ural, Russia
まずはLED光源でのカラーチェンジです。明らかに青みが消えて緑色に変化しますね。
最近はLED光源の場所も増えて来たので、写真でも違った見え方が増えて来るかも知れませんね。
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■specimen_No.001_M Malischevo, Tokowaya-River, Ural, Russia
あまり注目されていないような気がしますが、アレキサンドライトには蛍光性があり、紫外線長波を照射すると赤紫色にぼんやり蛍光します。
実はこの性質はかなり重要で、別鉱物との判別に役立ちます。同様のカラーチェンジを起こすガーネットは蛍光を示しませんからね。
ちなみにアレキサンドライトは人工的に合成されており、素人ではほぼ判別できないとされています。
天然物と比べて蛍光が明るいなどの差異はあるようですけれど。
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■specimen_No.001_M Malischevo, Tokowaya-River, Ural, Russia
あと興味本位で短波紫外線を照射してみたところ、何と今度は黄色く蛍光しました。
赤く蛍光することは知っていましたが、今まで短波では蛍光しないと思っていたので驚きました。
蛍光管の出力が弱かったようです。機器のメンテナンスも重要ですね。
そう言えばスペースシャトルのガラスに人工アレキサンドライトが使われていると言う話を耳にしますが、これは根拠が無いみたいですね。
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■specimen_No.002_SS Magara Mine, Lake Manyara, Arusha Region, Tanzania.
大型標本が好きな管理人としては珍しいSSサイズの極小標本です。
購入した理由はただ1つ、「安かったから」です。
高級なイメージがつきまとう本鉱物ですが、タンザニアのマガラ鉱山(Magara Mine)産の標本はかなり良心的なお値段です。
宝石質の結晶も産出するのですが、商品価値の無い結晶がこの鉱山から多数市場に流れているのです。
母岩の無い結晶のみでの流通ですが、とりあえずアレキのカラーチェンジを堪能したい場合にはありがたい存在です。
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■specimen_No.002_SS Magara Mine, Lake Manyara, Arusha Region, Tanzania.
まずはLED光源による変化です。かなりはっきりと緑色に変化します。
これは知らなかったですね。部屋の模様替えの賜です。
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■specimen_No.002_SS Magara Mine, Lake Manyara, Arusha Region, Tanzania.
次は定番の白熱灯光源でのカラーチェンジです。
小型の結晶ですが透明感が高く、色の変化もかなり優秀です。
色の変化の視認性だけならば標本No.001を上回ります。
これを手軽に見たいならばこの産地の標本を探してみましょう。
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■specimen_No.002_SS Magara Mine, Lake Manyara, Arusha Region, Tanzania.
次は長波紫外線での蛍光です。透明度が高いため紫外線が内部まで届き、明るい赤色に蛍光します。
本鉱物はカラーチェンジと言い蛍光性と言い、人気が出るのも納得の魅力満載ですね。
国内のショップ等ではこの産地の大型標本は全然見かけないんですよね。
海外で写真検索すると素晴らしい結晶の写真が何枚か見られるんですが、それでも少ないです。
他の産地と比べて宝石質の結晶が少ないのかも知れません。
機会があればもっと大型の標本も欲しいところです。
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■specimen_No.003_M Malischevo, Tokowaya-River, Ural, Russia
こちらの標本もNo.001と同じく原産地標本で、雲母片岩に埋もれるように複数の結晶が確認できます。
金緑石らしい双晶部分も見られます。濃い緑色の結晶ですが、濃すぎて透明感がほとんど無いのが玉に瑕ですね。
これは他の産地でも同じなのですが、原石の状態で市場に出回る標本はこのように透明度の低いものが多いようです。
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■specimen_No.003_M Malischevo, Tokowaya-River, Ural, Russia
透明度は極めて低いですが、ピンポイントで強い光を当てるとちゃんと透明感が分かります。
今までは蛍光灯光源で見ていたので、ほとんど色が分かりませんでした。
LEDフラッシュライトならちゃんと本来の緑色が確認できます。
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■specimen_No.003_M Malischevo, Tokowaya-River, Ural, Russia
この標本は透明度こそ低いものの、カラーチェンジは非常に優秀。
蛍光灯光源からLED光源に変えるだけで青緑色から緑色に明確にカラーチェンジします。
これってつまり1種類の宝石で3種類の色が見られるってことですよね。
LED光源は比較的最近になって開発された技術なので、今までは無かった概念なのでしょう。
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■specimen_No.003_M Malischevo, Tokowaya-River, Ural, Russia
白熱灯光源でのカラーチェンジも他のどの標本よりも視認しやすいです。
管理人はあくまでも原石収集家なので宝石にはあまり興味は無いんですが、
本鉱物についてはカットされたルースを持っておいても良いかなと考えています。
やはり宝石質の色の変化もいつでも見れるよう手元に置いておきたいですしね。
ちなみに紫外線を照射しても透明度が低いので蛍光は見られませんでした。
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