■specimen_No.001_M 日本 京都府 亀岡市 薭田野町 奥条
■ Cerasite / 桜石
□ KAl2AlSi3O10(OH)2 + (Mg,Fe)5Al(Si3Al)O10(OH)8
正確には独立した鉱物種ではなく、六角柱状の菫青石が変化した仮晶であり、白雲母と緑泥石から成ります。
その断面がまるで桜の花のように見えるのが和名の由来。実際には六角形なのでそのものと言う見た目ではありません。
英名も「Cherry Blossom Stone」であり、実に日本らしい鉱物でもあります。
偶然コレクターからの放出品に出会い、お手頃価格だったので軽い気持ちで購入しました。
その時は価値を知らず、店員さんが「これは珍しいよ」と仰っていましたが、帰宅後に産地を調べて驚いたのを覚えています。
と言うのも京都府薭田野町産の本鉱物は国の天然記念物であり、この他に桜天満宮でも現在は採取禁止です。
この標本は規制される1922年以前に採取されたもの。他の地域でも保護が必要なのではとの意見もあるようです。
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■specimen_No.001_M 日本 京都府 亀岡市 薭田野町 奥条
本鉱物は泥質ホルンフェルス中に見られるのですが、この産地では母岩の風化が進み結晶が分離した標本が多いです。
というより母岩が適度に風化して採取が容易なのがこの地域のみで、他の地域でも見付かります。
元の菫青石の斜方晶系の特徴を残したまま白雲母と緑泥石の微粒集合体(ピナイト)となっています。
緑泥石を含むため緑色を帯びるのですが、特徴的な断面が赤みを帯びることがあり、より桜らしくなります。
ちなみにこの桜石に関しては菅原道真公のエピソードが桜天満宮に残されています。
気になる方はぜひ調べてみて下さい。不思議なゆかりがありますよ。
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■specimen_No.002_M 日本 京都府 亀岡市 湯の花
■ Cerasite / 桜石
□ KAl2AlSi3O10(OH)2 + (Mg,Fe)5Al(Si3Al)O10(OH)8
どうしても母岩付きの標本を手元に置きたくて探し回り、こちらも無事入手できました。
この標本No.002の産地である湯の花温泉は天然記念物には指定されていません。
左上の標本は六角柱状結晶の形状がとても分かりやすくなっています。
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■specimen_No.002_M 日本 京都府 亀岡市 湯の花
全体的に不自然なテカリがあるのが不思議でしたが、どうやら母岩の泥質ホルンフェルスは風化が進みやすいためミネラルオイルで保護されているようです。
本来標本には手を加えると価値が下がるので敬遠してしまいますが、悪意ではないですし保護のためならばやむなしかも知れませんね。
白雲母を含んでいるため断面には光沢があるため、暗色の母岩に明るい色合いの花模様を浮かび上がらせてくれます。
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