■specimen_No.001_L Majuba Hill Mine, Antelope District, Pershing Co., Nevada, U.S.A.

Chenevixite / シェネビ石
□ Cu2Fe3+2(AsO4)2(OH)4・H2O

あまり耳にしたことのない名前の鉱物ですが、ご安心下さい。私も購入するまで知りませんでした。 銅を含む緑色の砒酸塩鉱物で、大型結晶は形成しないようです。ただマイクロ鉱物と呼べるほど小さくはない模様。 学名の由来はアイルランドの科学者リチャード・チェネヴィックス(Richard Chenevix)氏。 パラジウム発見の経緯の中で元素の試験法確立に貢献した人物です。となるとチェネビ石と呼ぶべきでしょうか。

本鉱物はとりわけ高価と言うわけではありませんが、とにかく国内での流通量が非常に少ないです。 管理人は偶然ショップで見かけてその色と形状に一目惚れし購入を決めましたが、それ以降一度も見かけたことがありません。


■specimen_No.001_L Majuba Hill Mine, Antelope District, Pershing Co., Nevada, U.S.A.

標本の左側部分を拡大してみると、落ち着いた緑色をした放射状の結晶がたくさん確認できます。 私はこれを「マリモ」と呼んでいます。


■specimen_No.001_L Majuba Hill Mine, Antelope District, Pershing Co., Nevada, U.S.A.

マリモ、ではなく本鉱物を拡大してみました。単斜晶系の結晶が放射状に広がり球状になっています。 「MP-E65mm F2.8 1-5×マクロフォト」を用いないとここまでの拡大は困難なほど結晶は微細です。 結晶の産状としてはこの他にも、より細い放射状、塊状、単結晶などバラエティに富んでいます。 鮮やかな緑色ではなく落ち着いたグラスグリーンに見えるのは、三価の鉄イオンの赤色が入っているからでしょうか。


■specimen_No.001_L Majuba Hill Mine, Antelope District, Pershing Co., Nevada, U.S.A.

球状に広がらずに母岩に貼り付くように成長し、花のような形状になっている部分です。 ここだけ見ればバリッシャー石や銀星石に良く似ていますね。


■specimen_No.001_L Majuba Hill Mine, Antelope District, Pershing Co., Nevada, U.S.A.

この標本内で最も大きい結晶群を拡大してみました。放射状に広がった球状の結晶群が2つ並んでいます。 良く見ると先端に光沢が確認できます。ちゃんと先端の結晶面が形成されている証拠です。 左下に見える小さな結晶を見ると、本鉱物の結晶一本一本がどのような形状なのかが分かります。 鑑賞対象の結晶が小さいと言うのは悩みどころではありますが、標本自体は大型なので見応えはあります。




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