■specimen_No.001_L Taouz, Er Rachidia Province, Meknes-Tafilalet Region, Morocco

Coronadite / コロナド鉱
□ Pb(Mn4+,Mn2+)8O16

初発見地はアメリカ、アリゾナ州のホースシュー鉱山(Horseshoe Mine)。別名コロナド鉱山(Coronado Mine)です。 と言うかこの地名自体がこの地を探索したスペインのコンキスタドール 「フランシスコ・バスケス・デ・コロナード(Francisco Vásquez de Coronado)」に由来し、鉱物名も献名です。 鉛を含むマンガンの酸化鉱物であり、本鉱物に似た化学式を持つ鉱物が複数存在し、 これらはクリプトメレーングループと呼ばれます。このサイトにも同じグループに属する鉱物があります。

鉱物的にはマンガン系の鉱物らしく黒色~暗灰色で単斜晶系の結晶であり、日本国内でも採れます。 針状結晶で産出することもありますが、ほとんどがこの標本No.001のような仏頭状の結晶で見付かります。 またバナジン鉛鉱と共生することがあり、黒と赤のコントラストが美しいので是非お迎えしたいですね。

ところでTOPのアイコン、オンマウスで色が鮮やかになるギミックなんですが、全然意味が無いくらい色彩に乏しいですね。


■specimen_No.001_L Taouz, Er Rachidia Province, Meknes-Tafilalet Region, Morocco

仏頭状に成長した結晶群を少し拡大してみました。 このような結晶は針鉄鉱や赤鉄鉱などでもありふれた形状ですが、本鉱物は少し雰囲気が違いますね。


■specimen_No.001_L Taouz, Er Rachidia Province, Meknes-Tafilalet Region, Morocco

雰囲気が違うと感じる原因はその表面にありました。 このような仏頭状結晶は表面が滑らかなことが多いのですが、本鉱物では埃を被ったようになっています。 まるで長期間倉庫で放置されていたかのような質感です。 偶然かと思いましたが、ネットで画像検索してみると全く同じ標本の写真が見られました。


■specimen_No.001_L Taouz, Er Rachidia Province, Meknes-Tafilalet Region, Morocco

照明の角度を少し傾けてみると表面の様子が良く分かります。 単に粉を吹いているだけではなくて、表面そのものもかなりでこぼこしているのですね。 ただこれはあくまで表面だけで、表面が擦れた部分は金属光沢が見られます。


■specimen_No.001_L Taouz, Er Rachidia Province, Meknes-Tafilalet Region, Morocco

またこの標本は大きな母岩の表面に形成された本鉱物部分を引き剥がしたもののようなのですが、 分割した際に出来た断面もちょっと面白いんですよね。 仏頭状の結晶断面は放射状に結晶が成長しているのが肉眼的に見えることが多いんですが、 この断面はどう層状、しかも非常に細かな粒子になっています。 粒子混じりのシルバーのペンキが固化したような質感なんですよね。この辺が個性的だと感じる次第です。




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