■specimen_No.001_M Grand View Mine, Cape Royal, Grandview, Coconino Co., Arizona, U.S.A.
■ Cyanotrichite / 青針銅鉱
□ Cu4Al2SO4(OH)12・2H2O
標本No.001の産地であるグランドビュー鉱山産の本鉱物は以前レッソマイト(Lettsomite)と呼ばれていましたが、現在はシノニム扱いです。
この趣味を始めた初期から狙っていましたが、結晶の性質上あまり美しい標本に出会えず、入手するのが遅くなってしまいました。
放射状の針状結晶の集合体を作るのですが、その色彩が非常に魅力的な斜方晶系の珪酸塩鉱物です。
学名はラテン語でそれぞれ「Cyano-」が「藍色の」、「tricho-」が「毛状の」を意味しています。
一部の愛好家にカルト的な人気があるとかないとか。
とにかく結晶が脆く壊れやすいため、慎重に管理せねばなりません。母岩自体も脆いことが多いので固定作業の際は注意。
また国内に持ち込まれる輸送段階で梱包材に触れて結晶が潰れていることが多く、無傷なのは晶洞内部の結晶集合体くらいです。
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■specimen_No.001_M Grand View Mine, Cape Royal, Grandview, Coconino Co., Arizona, U.S.A.
母岩表面を覆う青色の結晶が本鉱物です。淡い水色は銅アルミナ石、緑色は孔雀石やブロシャン銅鉱です。
これらの共生鉱物の組み合わせはこの産地の標本でよく見られます。どれも銅に由来するものばかりですね。
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本鉱物の魅力は2つ。1つはこの鮮やかな、そして息を呑むような濃い青色です。
そしてもう1つは硬いはずなのに軟らかさすら感じてしまう針状結晶の放射状集合体です。
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■specimen_No.001_M Grand View Mine, Cape Royal, Grandview, Coconino Co., Arizona, U.S.A.
鉱物標本を海外などから長距離輸送する場合、綿状の梱包材でつつんで結晶が壊れないようにするのが普通です。
標本に綿ぼこりのようなものが付着していることがあるのはそのためです。
しかし本鉱物の結晶はあまりにも細かく脆いため、母岩の表面に面した部分はたいてい潰れてぺしゃんこになっています。
ですがこの写真のような晶洞内部の結晶は無傷で、本来の姿を保持しています。
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針状の結晶を持つ鉱物はマクロレンズを使えば先端の結晶面が見えるものも多いです。
しかし我が家の最大倍率を誇る「MP-E65mm F2.8 1-5×マクロフォト」の力を持ってしても結晶は毛のようにしか見えませんでした。
結晶が細く本数も多いため、放射状集合体にもかかわらず球状集合体に近い外見になります。
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標本No.001で最も美しく見える部位です。無数の放射状集合体が密生し絨毯のようになっています。
私自身、このような放射状に広がった結晶が好きなタイプの愛好家なので、もっと色々なパターンの標本を手元に置きたいと考えています。
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