■specimen_No.001_M Altyn-Tyube Dioptase Deposit, Altyn-Tyube Area, Kirghiz Steppes, Karagandy Province, Kazakhstan.
■ Dioptase / 翠銅鉱・ダイオプテーズ
□ CuSiO3・H2O
産地はカザフスタンの、その名もアルティン・チュベ翠銅鉱鉱床(Altyn-Tyube Dioptase Deposit)。
産地名に鉱物名が入ってしまうほどに有名な産地であり、同時に本鉱物の原産地でもあります。
コンゴからも良質な標本が産出し、流通する標本の大半がこの2大産地由来です。
その名の通り銅を含む珪酸塩鉱物で、その結晶の美しさからコレクター人気が安定して高いです。
三方晶系の非常に美しい深みのあるエメラルドグリーンが魅力的な鉱物です。
その美しさから宝石として使用したくなりますが、モース硬度がヒトの歯とほぼ同じ5と低いので装飾品には不向きです。
藍方石(Haüyne)の由来でもあるフランスの鉱物学者であるルネ=ジュスト・アユイ(René Just Haüy)によって命名されました。
劈開が結晶内に肉眼で見えることから、ギリシャ語の「dia(通して)」と「optos(見える)」から名付けられました。
結晶が集中して片側に寄っており、全体的なバランスが気に入っている標本です。
なお母岩は石英。この産地は石英と珪岩が母岩になっているのが特徴です。
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■specimen_No.001_M Altyn-Tyube Dioptase Deposit, Altyn-Tyube Area, Kirghiz Steppes, Karagandy Province, Kazakhstan.
発見当初はエメラルドと誤認されただけあって、この美しさと透明度は筆舌に尽くしがたく、まさに百聞は一見に如かず。
しかしエメラルドと比べて深みがある上に本来のモース硬度8よりも低く、すぐに別鉱物と判明しました。
そもそも結晶の晶系が全く異なるので、すでに知られている現在は判別は容易です。
その美しさ故に脆さを覚悟であえてカットされたり、粉末にして絵の具として使用されることもあります。
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■specimen_No.001_M Altyn-Tyube Dioptase Deposit, Altyn-Tyube Area, Kirghiz Steppes, Karagandy Province, Kazakhstan.
結晶は教科書的な三方晶系であり、両端が四角形3面で終わる12面体になります。
また学名にもなっている通り3方向に完全な劈開を持ち、うち1方向は特に割れやすい性質を持ちます。
実際に写真を見ると分かりやすいのですが、結晶内で光を反射しているのが劈開面です。
劈開で有名な魚眼石でも似たような劈開面の反射が見られますが、本鉱物も中々のレベルですね。
非常に壊れやすいため、強い衝撃を与えないよう慎重に保管しましょう。
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■specimen_No.002_S Altyn-Tyube Dioptase Deposit, Altyn-Tyube Area, Kirghiz Steppes, Karagandy Province, Kazakhstan.
サムネイルサイズではあるのですが、結晶が大型で形状が観察しやすいのでお気に入りの標本です。
こちらも産地は標本No.001と同じアルティン・チュベ。茶色っぽい珪岩中に産する典型的な産状です。
大きな結晶は3個だけですが、長さ8mm、厚さ4mmと本鉱物としては大型の単結晶が見られます。
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■specimen_No.002_S Altyn-Tyube Dioptase Deposit, Altyn-Tyube Area, Kirghiz Steppes, Karagandy Province, Kazakhstan.
三斜晶系なので晶系は石英と同じですが、石英の先端が三角形6面から成るのに対し、本鉱物は四角形3面になっています。
そのため先端付近の結晶面に光が反射するとこのように四角形に光るので観察しやすいです。
それにしても劈開面が凄すぎて透明度が落ちていますね。インクルージョンのようになっています。
超音波洗浄機に入れると砕け散るそうですが、試す勇気は無いですね。
他の産地の標本も手元に置きたくなりますが、他の有名な産地となるとコンゴのントラ鉱山(N'tola Mine)と、
言わずと知れたナミビアのツメブ鉱山(Tsumeb Mine)でしょう。
ただこの2つの産地の標本は良質すぎてかなり高額のため、ちょっと足踏みしてしまいますね。
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