■specimen_No.001_L Piaui Valley, Taquaral, Itinga, Jequitinhonha Valley, Minas Gerais, Southeast Region, Brazil
■ Eosphorite / 曙光石・エオスフォル石
□ (Mn,Fe)AlPO4(OH)2・H2O
本鉱物の存在を初めて知ったのは、本格的に石の趣味をスタートするキッカケとなった隔週刊誌「トレジャーストーン」でした。
とあるページに掲載されていた石英の表面に形成された本鉱物の標本写真を見たとき、凄まじい衝撃を受けました。
その時からずっと良質な標本を探し求めていたマンガンと鉄とアルミニウムを含むリン酸塩鉱物です。
チルドレン石グループに属しており、化学式としてはチルドレン石が鉄のみに対し、本鉱物は一部がマンガンに置き換わっています。
分子構造は同じなので、単なる割合の違いしかないようです。
魅力的な鉱物ではあるのですが、美しい結晶面が見える標本はあまり多く出回りません。
実際に国内の市場に出回る標本のほとんどが微細で透明感の無い結晶の標本、あるいはサムネイルサイズ標本ばかりです。
標本No.001の産地であるブラジルのタクアラウで美しい結晶が産出したことで本鉱物は広く知られることとなりました。
この標本は本鉱物としては珍しい大型標本です。
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■specimen_No.001_L Piaui Valley, Taquaral, Itinga, Jequitinhonha Valley, Minas Gerais, Southeast Region, Brazil
白色の曹長石の表面を覆うように本鉱物の結晶が覆っています。
結晶はかなり小さいですが肉眼的で、小さすぎると言うほどでもありません。
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■specimen_No.001_L Piaui Valley, Taquaral, Itinga, Jequitinhonha Valley, Minas Gerais, Southeast Region, Brazil
派手すぎず地味すぎず。キャラメルのような飴色の板状結晶、これが本鉱物の魅力でしょう。
この産地の標本の結晶は非常に透明度が高く、また様々な方向に成長しているためキラキラとラメのように輝き実に美しいです。
結晶が放射状に成長した部分では球状集合体のような雰囲気になりますが、結晶一つ一つが大型のためパイプウニのような状態になります。
このような褐色の結晶が多いですが、マンガンの割合が高いと赤みが強くなります。
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■specimen_No.001_L Piaui Valley, Taquaral, Itinga, Jequitinhonha Valley, Minas Gerais, Southeast Region, Brazil
Canon製の「MP-E65mm F2.8 1-5×マクロフォト」の力を借りて結晶を拡大してみました。
本鉱物の結晶はモース硬度5の斜方晶系で、結晶の先端を見ると非常に特徴的な形状をしています。
表面に暗色の粒が無数に付着していますが、これはほとんどの結晶に付着しており、断定はできませんが灰色なので共生鉱物のザナジアイトと考えられます。
本鉱物の共生鉱物としてはモンゴメリアイトやザナジアイトが代表的でしょう。
またタクアラウ産の場合は母岩が紅石英の標本のほうが有名で、愛好家に高い人気を誇ります。
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■specimen_No.001_L Piaui Valley, Taquaral, Itinga, Jequitinhonha Valley, Minas Gerais, Southeast Region, Brazil
母岩が平面的ではないため本鉱物の結晶も色んな方向を向いており、ピントが合う場所を探すのが大変でした。
ちなみに和名の「曙光」は色が似ていると言うことで「夜明けの空に差してくる日の光」とそのままの意味です。
しかしそれとは別に「明るい兆し」と言う意味もありますので、縁起の良い和名なのかもしれませんね。
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