■specimen_No.001_M Julcani Mine, Julcan, Angaraesi, Huancavelica, Peru

Gold / 自然金・ゴールド
□ Au

もはや語る必要もないほどに有名な、そして太古の昔からその輝きで人類を魅了してきた金属です。 元素番号の79番目。第11属元素に属する金属元素です。 等軸晶系に属しており、結晶が確認できることも有ります。 全元素の中で最もイオン化傾向が小さいため反応性が極めて低く、また化合物も不安定で容易に分解して金に戻ります。 そのため自然界では単体の金属状態で産出します。 ただし自然金は純粋な金ではなく、銀や銅、ビスマスなどの他種の金属をわずかに含んだ合金の状態が普通です。

本鉱物の難点は良質な標本の入手が難しいことです。 金は産業的に極めて価値が高い鉱物のため、標本にするよりも精製したほうが儲かります。 そのため母岩付きの標本はあまり出回らず、必然的に入手難易度が上がってしまいます。 またそれにつけ込んで母岩に人為的に接着した悪質な標本もみられるので購入時は注意が必要です。

ブラックライトで周囲が光ったら間違いなく接着剤です。経験者は語る。


■specimen_No.001_M Julcani Mine, Julcan, Angaraesi, Huancavelica, Peru

白色の微細な石英上に美しく輝く本鉱物が確認できます。 この失われることのない輝きを人類はずっと追い求めてきました。 とそれっぽい書き出しでしたが、歴史的な話になるとここでは書ききれないレベルなのでWikipediaあたりを見て頂ければ幸いです。 それくらい人類とともに歩んできた金属なんですよ。


■specimen_No.001_M Julcani Mine, Julcan, Angaraesi, Huancavelica, Peru

標本の反対側に晶洞内部に貼り付くように本鉱物が見られます。 これは流石に接着では再現できません。この標本No.001が自然なままの状態である証です。


■specimen_No.001_M Julcani Mine, Julcan, Angaraesi, Huancavelica, Peru

結晶構造が見られることもありますが、それはかなり稀で基本的にはこのような塊状で産出します。 ひげ状や樹枝状の標本も魅力的なのですが、あまりにも高価のため手が出せません。 比較的安価なナゲット状のものは砂金と発生原理は同じで、風化によって川に流され丸みを帯びたものです。 しかし原石派としてはやはり母岩付き標本を手元に置きたくなってしまうのですよね。


■specimen_No.001_M Julcani Mine, Julcan, Angaraesi, Huancavelica, Peru

小さな晶洞、と言うとり小さなくぼみにすっぽり収まるように見られる部分です。 ちなみに本鉱物と紛らわしいとされるのが「愚者の黄金」とも呼ばれる黄鉄鉱です。 大型の結晶ならば肉眼的に見分けられますが、微細なものになると確かに判別が難しいです。 しかし黄鉄鉱の条痕は緑黒色なので、黄金色の条痕を残す本鉱物とは容易に区別できます。 また強い衝撃で黄鉄鉱は砕けますが、展性に富む本鉱物は平たく伸びるため、これによっても見分けることができます。




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