■specimen_No.001_M Julcani Mine, Julcani District, Angaraes Province, Huancavelica Department, Peru
■ Jamesonite / 毛鉱・硫安鉛鉱
□ Pb4FeSb6S14
学名の由来はスコットランドの鉱物学者であるロバート・ジェームソン(Robert Jameson)氏。
鉛とアンチモンを含む単斜晶系の硫化鉱物です。
学名を普通に読むと「ジェームソナイト」と洒落た響きですが、和名では「毛」のインパクトが凄いですね。
しかし本鉱物の特徴を的確に表した和名であり、一目見れば誰しもが納得するでしょう。
硫安鉛鉱という化学式そのままの別名もありますが、鉱物界隈ではもっぱら毛鉱で呼ばれているようです。
本鉱物を所持する際にもっとも問題になるのはその脆さです。
本鉱物はある程度の太さになる場合もありますが、一般に髪の毛のように細い結晶になります。
そのため何かにぶつかってしまうと結晶が粉々になってしまいます。
ケースに入れる場合も思い切ってしっかりと台座に固定したほうが良いと思われます。
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■specimen_No.001_M Julcani Mine, Julcani District, Angaraes Province, Huancavelica Department, Peru
針状結晶を作る鉱物は数あれど、この雰囲気は他ではなかなか見られませんね。
と言うのもこのような針状結晶は放射状に広がっているものが多いです。
結晶が一つの成長点から無数に伸びるために起こる産状ですが、本鉱物は結晶の方向がバラバラになります。
これは一つ一つの結晶が別々に生成されたためです。
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■specimen_No.001_M Julcani Mine, Julcani District, Angaraes Province, Huancavelica Department, Peru
結晶が密集している部分を拡大してみました。
遠くから見るとカットした後の髪の毛の塊に見えますが、拡大すると金属光沢を持ち、鉛の硫化鉱物らしい鉛灰色~黒色をしています。
よく見ると周囲の白い結晶を貫通するように本鉱物の結晶が伸びているのが面白いです。
白い結晶は紫外線短波で赤く蛍光するため、外見的にも方解石と思われます。
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■specimen_No.001_M Julcani Mine, Julcani District, Angaraes Province, Huancavelica Department, Peru
化学式に鉛を含んでいるため比重が5.6もあります。あの黄鉄鉱が5.0なのでその重さは推して知るべし。
太さのある結晶を作ることもあるのでその場合は重量感がありますが、本鉱物の魅力である毛っぽさが失われてしまうのが玉に瑕。
結晶は大きいほど魅力的ですが、本鉱物に関しては毛のような結晶の標本を手元に置きたいですね。
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