■specimen_No.001_M Diakon, Cercle de Boufalabe, Kayes Region, Mali

Prehnite / 葡萄石・プレナイト
□ Ca2Al2Si3O10(OH)2

「見た目が美味しそうな鉱物」と言われて真っ先に名前が浮かぶ鉱物だと思っています。 実際に石を知らない方にお見せすると、大抵は「美味しそう」や「マスカットみたい」と言った意見が出ます。 と誰が見てもブドウ(マスカット)を彷彿とさせるのが和名の由来の珪酸塩鉱物です。 ちなみに学名はその産状に関係なく、発見者であるオランダのヘンドリック・フォン・プレーン(Hendrik von Prehn)陸軍大佐にちなむものです。

世界中で産出が見られ、日本国内でも美しい結晶が見付かっています。 しかしブドウと呼べるような典型的な球状集合体が産出する地域は限られています。 アメリカ、インド、スペイン、ナミビアなどが代表的な産地ですが、特に有名なのは産状が美しいマリ産の標本です。 しかし現在この産地の標本は価格が高騰しているようです。

黒い結晶は緑簾石で、この産地ならではの産状です。



■specimen_No.001_M Diakon, Cercle de Boufalabe, Kayes Region, Mali

結晶は放射状に広がることで球状集合体となり、色も和名通りのマスカットグリーンです。 透明度もそれなりに高く、モース硬度も6~6.5とこちらもそれなりに高いため、宝石としても利用されます。 鉱物標本としては葡萄石、パワーストーンなどのアクセサリではプレナイトと呼ばれることが多いようです。 しかし単体て大型の結晶を形成することは稀なので、多くは平面を作らないカボションカットです。


■specimen_No.001_M Diakon, Cercle de Boufalabe, Kayes Region, Mali

表面を拡大してみても先端の結晶面は見えません。 本鉱物の結晶は極めて細いため表面の凹凸が少ないのが特徴です。 また結晶の成長方向に流れのようなものがあり、表面の結晶面のでき方に一定の方向性が感じられます。 ちなみに単結晶が見付かる場合もあり、その場合は斜方晶系だと言うことが確認できます。


■specimen_No.001_M Diakon, Cercle de Boufalabe, Kayes Region, Mali

反対側から光に透かしてみると、やや黄色みが強くなるものの透過率は中々のものです。 透明度が高い部位は通常のカットも可能ですが、それでもうっすらと濁った感じになります。 また共生鉱物である緑簾石が内部を貫通している場合も少なくなく、そのような結晶は球形にカットすると美しいくアクセサリとして人気です。




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