■specimen_No.001_M Hemerdon Mine, Plympton, Devon, England

Scorodite / スコロド石
□ Fe3+AsO4・2H2O

一時期砒酸塩鉱物の収集に没頭したことがあり、その時のターゲットの1つでした。 偶然美しい結晶標本をショップで見付けて運命を感じて購入しました。 この標本の産地であるヘマードン鉱山はラベル表記にぶれがあり、 「Drakelands Mine」や「Hemerdon Ball Mine」も同一の鉱山です。 スズやタングステンの鉱床なのですが、良質な本鉱物を数多く排出したことでも知られます。 ちなみに世界的に有名な産地はあのイエローストーン国立公園で、日本国内でも産出します。

斜方晶系の砒酸塩鉱物であり、化学式を見ても分かるように有毒な砒素を含みます。 硫砒鉄鉱の二次鉱物であり、結晶の色は灰緑色や赤褐色、白色など様々ですが、ブルーグレーの結晶がその美しさから人気ですね。 学名は「ニンニクのような」と言う意味のギリシャ語「Scorodion」に由来し、かつては日本でも「葱臭石」と呼ばれました。 これはそのままの状態では無臭ですが、加熱や衝撃によってニンニクのようなヒ素特有の臭気を放つためです。



■specimen_No.001_M Hemerdon Mine, Plympton, Devon, England

晶洞内を埋め尽くす本鉱物の美しい結晶群です。この渋い色合いが堪りませんね。 化学式を見ても分かるように三価の鉄イオンを有するはずなのですが、不思議と赤系ではなく青系なんですよね。 実際に母岩は赤っぽいですし。ただ当然ながら母岩も砒素を含んでいるので素手ではあまり触らないようにしています。


■specimen_No.001_M Hemerdon Mine, Plympton, Devon, England

一部結晶構造が確認しやすい単結晶も確認できます。 青いせいで某天空の城を空に浮かべている石や、某使徒を彷彿とさせますね。 一度臭気を体感してみたいのですが、勿体無くて火に焚べる度胸がありません。 やるならそれ専用に購入せねばなりませんね。


■specimen_No.001_M Hemerdon Mine, Plympton, Devon, England

贅沢な本鉱物のクラスターです。と言ってもあまり大きな結晶にならないのでマクロ撮影が必須ですが。 胆礬のような鮮やかな青色も良いですが、この少し彩度の低い青色の結晶もいぶし銀な魅力がありますね。 表面がくすんで透明感が失われたものも多いので、この透明度の高さは高評価です。 ただ国内でもやや緑がかった美しい結晶が産出するので、そちらもいつか手元に置きたいものです。

全然関係無いですが、管理人はずっと「すころどいし」と発音していたのですが、 Wikipediaや愛好家さんの呼び方からすると「すころどせき」が正しかったみたいですね。




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