■specimen_No.001_L Thomas Range, Juab Co., Utah, U.S.A.
■ Topaz / 黄玉・トパーズ
□ Al2SiO4(F,OH)2
和名では「黄玉」と呼びますが「トパーズ」のほうが有名ですね。黄水晶と共に11月の誕生石を務めます。
斜方晶系の珪酸塩鉱物であると同時にモース硬度8の基準鉱物です。ダイヤモンド(10)とコランダム(9)に次ぐ硬さですね。
結晶の色も輝きも美しく大型結晶も豊富なので、その硬度からも宝石として安定した人気があります。
産地も豊富で、国内でも大型の結晶が産出しました。現在でも探せば出るとか何とか。
産地によって特徴的な色が存在し、それぞれ固有の呼称を与えられています。
有名なものはシェリーカラーの「インペリアルトパーズ」と、その名の通りの「ピンクトパーズ」。
色の濃い「ブルートパーズ」や「グリーントパーズ」は放射線処理されたものです。
また無色のものは「カラーレストパーズ」と呼ばれ、ダイヤモンドに光沢が似ます。
またそもそも本鉱物には「OHタイプ」と「Fタイプ」と言う2つのタイプが存在します。
これは結晶内に含まれる水酸基(OH)とフッ素(F)のどちらが優勢かによって分かれると言うもの。
インペリアルトパーズやピンクトパーズなど宝石としての価値は高いものは前者に含まれます。
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■specimen_No.001_L Thomas Range, Juab Co., Utah, U.S.A.
アメリカ、ユタ州産の特徴的な薄茶色の結晶です。母岩付き標本が欲しかったんですよね。
この色のものは「シャンパントパーズ」と呼ばれ、透明度の高さからカットされて宝石として流通しています。
穏やかな色合いに一目惚れして即決しました。母岩全体に微細結晶が見られます。
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■specimen_No.001_L Thomas Range, Juab Co., Utah, U.S.A.
結晶表面にも内部にも全くクラックやひび割れが見られない、ほぼ完璧な結晶です。
産地であるトーマス・レンジ(Thomas Range)はシャンパントパーズの代表的な産地。
穏やかなシャンパンカラーが特徴的ですが、Fタイプのため光により退色が進むので注意が必要です。
保管する際はキャビネット内に入れるなどして遮光したほうが良いでしょう。
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■specimen_No.001_L Thomas Range, Juab Co., Utah, U.S.A.
マクロ撮影してみると美しい結晶面がはっきりと確認できます。
ここまで内部に亀裂や内包物が無ければ、小さいとは言えカットできそうですね。
本鉱物の結晶の先端は平面のものが多いですが、この産地のものはしっかりと結晶面を伴いつつ尖ります。
にしても何でしょうねこの独特な色合い。何か美味しそうに思えるのは管理人だけでしょうか?
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■specimen_No.001_L Thomas Range, Juab Co., Utah, U.S.A.
この標本で2番目に大きい結晶です。成長方向的に母岩に邪魔されて手前から撮れない困ったさん。
こちらも透明度が非常に高く、光にかざすとキラキラと輝いて美しいです。
シャンパントパーズは母岩から切り離された単結晶状態での流通が多く、
母岩付きの標本は結晶の質があまり高くないイメージがあるので、その点ではこの標本No.001は優秀です。
本鉱物は宝石としてでなくとも、鉱物として非常にコレクション性が高いです。
同じ褐色系ならインペリアルトパーズは標本として手元に置いておきたいものです。
日本でも良質な結晶が採れるので、機会があれば探してみたいものです。
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