■specimen_No.001_M Silver Coin Mine, Humboldt Co., Nevada, U.S.A.

Turquoise / トルコ石・ターコイズ
□ CuAl6(PO4)4(OH)8・4H2O

12月の誕生石としても知られ、数千年も前から装飾品として愛されて続けてきた宝石です。 三斜晶系のリン酸塩鉱物の一種。化学式を見れば分かりますが、銅やアルミニウムを多く含む岩石中に形成されます。 「ターコイズブルー」と言う言葉もあるように、特徴的な青色~青緑色は実に魅力的です。 質の良いものは貴重であり、作りやすいことからも模造品が多いこともで知られています。 ちなみに現在のトルコではトルコ石は産出しておらず、トルコを経由してイランなどの産地からもたらされたのが由来なのだそうです。 ただこれは諸説あるようですので、詳しく知りたい方は個別に調べてみて下さい。

本鉱物は隠微晶質と呼ばれる、単結晶をほとんど形成せず不透明な塊状になって産出する、と言う性質を有しています。 しかし稀に特定の産地から結晶質の標本が産出します。 非常に美しいのですが、結晶一つ一つが極めて小さいため高倍率ルーペでも鑑賞は困難です。 もう少し大きな結晶も産出するのはするのですが、流通量が極端に少なく、お値段も現実的ではありませんね。


■specimen_No.001_M Silver Coin Mine, Humboldt Co., Nevada, U.S.A.

このシルバーコイン鉱山は世界でも数少ない本鉱物の純粋な結晶が産出し、多くの結晶標本がこの鉱山由来です。 不純物の含有がほとんど無く、結晶面が確認できる本鉱物はトルコ石のイメージを覆してくれます。 ただしこの状態では少しキラキラして見えるだけで結晶を愛でるにはある程度の機材が必要となります。 ちなみに鉄分を多く含んでしまうと二価の鉄イオンの影響で緑色を帯び、くすんだ色合いになってしまいます。


■specimen_No.001_M Silver Coin Mine, Humboldt Co., Nevada, U.S.A.

マクロレンズに頑張ってもらいました。ここまで倍率を上げると何とか結晶であることが確認できます。 結晶は三斜晶系で色は言わずもがなターコイズブルー。透明感があり照りが強いです。 しかし不透明なカボションカット品ばかり見ていると、これがトルコ石だとは到底思えませんね。


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Canon製の「MP-E65mm F2.8 1-5×マクロフォト」による最大倍率での撮影でギリギリ何とか結晶の姿を捉えることができました。 計測してみましたが、この写真の幅が実際には1.5mmなので、どれだけ小さい結晶であるかがお分かりになるかと思います。

ちなみに本鉱物の有名な産状としては、結晶が放射状に渦巻くように形成されて薔薇の花のようになったもの。 その青い薔薇は息を呑む美しさなので、ネットで画像検索して是非その芸術的な姿を確認してみてください。 私もいつか入手したいと夢見ているのですが、お財布との相談と出会いの運ですね。 基本的に透明感の無い本鉱物ですが、やはり原石愛好家的には結晶面に惹かれるものです。 しかしやはりトルコ石と言えばあの透明感の無いツルンとした外見も魅力的ではあります。 現在所有している標本No.001はいわばイレギュラーなので、2つ目は典型的な標本を入手しておきたいですね。




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